猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

男たちの挽歌

2022-05-03 22:02:42 | 日記
1986年の香港映画「男たちの挽歌」を観に行った。

香港マフィアの幹部であるホー(ティ・ロン)と相棒マーク(チョウ・ユンファ)は
強い絆で結ばれていた。ホーの弟キット(レスリー・チャン)は兄の仕事を知らな
いまま警察官となり、ホーは弟のため足を洗うことを決意する。部下のシン(リ
ー・チーホン)と台湾で最後の取り引きに臨むが、実は敵の罠だった。銃撃戦を
生き延びたホーは収監され、マークはたった1人で敵組織に乗り込み復讐を果た
すが、自らも脚に大怪我を負う。3年後、出所したホーは、キットから絶縁を言
い渡される。堅気として生きていくことを胸に誓うホーだったが、そんな彼にマ
ークが、組織で権力を握ったシンへの復讐を持ち掛け、ホーはいつしか戦いへと
巻き込まれていく。

ジョン・ウー監督によるハードボイルド・アクション。日本公開35周年記念の
4Kリマスター版ということだが、4Kリマスター版って何だろう。それまでコメ
ディやカンフー映画が主流だった香港映画界に「香港ノワール」と呼ばれる新た
なジャンルを確立した記念碑的な作品である。チョウ・ユンファやレスリー・チ
ャンの出世作。もちろん昔ビデオで観ているが、レスリー見たさに映画館へ足を
運んだ。とにかくかっこいい映画。
黒社会の幹部・ホーは闘病中の父と学生である弟・キットの面倒を見ていたが、
キットが警官になる希望を持っていることで病床の父から足を洗うよう頼まれる。
了解したホーは、次回の台湾での仕事を最後に黒社会から引退しようと決意する。
しかし取り引きは密告によって警察に知られており、同行した後輩シンを逃がし、
ホーは自首することになる。その間、香港では父が陰謀によって殺され、そのこ
とでキットは尊敬する兄が黒社会の人間であることを知る。一方ホーの親友マー
クは報復のために敵を皆殺ししたものの、脚を大怪我し、右脚が不自由になって
しまう。
ホー役のティ・ロンはハンサムではないが映画を観ているとかっこよく見えてく
る。出所後ホーは今では刑事になっているキットに会おうとするが、キットは兄
のせいで父が死んだことや、自分が出世できないことでホーを憎んでおり、もう
自分に関わるなと言う。ホーは堅気になって生きようとしているのに、それが切
ない。キットはどうしてもホーを許さないのだった。ホーが就職した会社の社長
がとてもいい人で泣けてくる。社長は自らも前科持ちで、刑務所帰りの者たちを
積極的に雇っている。ホーが抗争に巻き込まれた時も、「我慢するんだ」とホー
を必死に説得する。
ホーとマークの友情だけでなく、ホーの家族の愛情も描かれているのがとてもい
い。マフィアから足を洗うのって本当に大変なことなんだなあ。ホーはいい人に
見えるのにどうして黒社会に入ってしまったのだろう。そしてマッチ棒をくわえ
て(どうしてマッチ棒なのかわからないが)2丁拳銃をぶっ放すチョウ・ユンファ
兄貴がめちゃくちゃかっこいい。この人はいつもかっこいいけど。若いレスリー
はかわいくて、レスリーの歌う主題歌も良かった。香港映画史上に残る傑作だと
思う。




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コメント (4)
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