猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

目撃者 闇の中の瞳

2018-04-09 02:33:56 | 日記
台湾映画「目撃者 闇の中の瞳」を観にいった。

2007年。新聞社で実習生として働くワン・イーチー(カイザー・チュアン)、通称
シャオチーは、ある嵐の夜台北郊外の山道で車同士の当て逃げ事故を目撃する。
被害者の車は無残に潰れ、運転席の男性は死亡、助手席の女性も瀕死の状態に見
えた。シャオチーはとっさに現場から逃走する車を撮影し、大学院時代の恩師で
もある上司のチウ編集局長(クリストファー・リー)に見せるが、ナンバープレー
トの文字が判読不可能だったため記事にはならず、また犯人が捕まることもなか
った。9年後、敏腕記者となったシャオチーは、1ヵ月前に中古で買ったばかりの
愛車をぶつけてしまう。破損した車を自動車修理工に見せると、その車は過去に
も事故に遭っていることが判明。更に警察で車両番号を照会してもらったところ、
なんと以前の持ち主は9年前の当て逃げ事故の被害者だった。シャオチーは先輩
記者マギー(シュー・ウェイニン)の協力を得て独自に9年前の事故の真相を調べ
始める。

台湾で大ヒットを記録したサスペンス映画。これはおもしろかった。冒頭から画
面に惹き込まれる。嵐の夜、山道での当て逃げ事故。目撃した主人公は新聞社の
実習生。逃げていく車を急いで撮影するが、記事にはならず犯人も捕まらないま
まだ。そして9年後、主人公が購入した中古車がその事故の時の被害者のものだ
ったことが判明する。新聞記者である主人公が興味を持つのは当然である。調べ
ていくうちに、事故の被害者の男性の方は死亡しているが、助手席にいた重傷を
負った女性は搬送先の病院から失踪していたことがわかる。そしてその女性シュ
ー・アイティン(アリス・クー)の居場所を突き止めるが、彼女は事故のことは忘
れたいと言って何も語ろうとしない。調査に協力してくれている先輩記者も、も
う昔のことだしそっとしてあげたら、と忠告する。何かがおかしい。
伏線がいくつも張り巡らされていて、登場人物たちは皆嘘をつく。脚本がよく練
られていてすごくおもしろかった。メインの登場人物はシャオチー、マギー、シ
ュー、チウの4人だが、彼らと交わる人々も皆どこか変なのだ。シューは何故犯
人を知ろうとしないのか?シャオチーは何故調査を妨害されるのか?人間の欲望
や野心や猜疑心が渦巻いて、誰が悪いのか悪くないのかがなかなかわからない。
更に意外な展開に次ぐ意外な展開で目が離せない。終盤の展開なんか「えーっ!
」と声を上げたくなるほどだ。伏線が1本につながったところにある真相は恐ろ
しく、人間の醜悪さが露呈されている。
グロテスクなシーンもあるが大したことはない。メインキャストたちの演技も素
晴らしい。ただちょっと詰め込み過ぎかな、という感じはした。それでもこんな
におもしろいサスペンス映画はあまりないと言えるくらい良かった。また観たい。





人気ブログランキング
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする