猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

オオカミは嘘をつく

2018-02-16 01:35:08 | 日記
2013年のイスラエル映画「オオカミは嘘をつく」。

イスラエルのとある森で、少女が強姦され惨殺される事件が起きる。その容疑者
として浮上したのは中学校教師のドロール(ロテム・ケイナン)。刑事のミッキ(
リオル・アシュケナージ)が責任者として彼の尋問に当たるものの、証拠がなく
釈放されてしまう。更に行き過ぎた取り調べが何者かによって録画され、動画サ
イトにアップされてしまったことで、ミッキは上司から担当を外されてしまう。
しかし、ドロールを犯人だと思うミッキは独自に捜査を開始し、再びドロールを
拘束する。そこへ、殺された少女の父親・ギディ(ツァヒ・グラッド)が娘の復讐
のために現れる。

暗く凄惨なミステリー映画。R18指定なのも納得がいく。かくれんぼをして遊ん
でいた子供たちのうち、1人の少女が行方不明になる。容疑者として拘束された
のは中学校教師のドロールだが、彼は知らないと言う。証拠がなく釈放されるが、
その後少女の惨殺死体が森で発見される。警察と一緒に少女の父親が現場にやっ
てくるが、我が子の遺体を見て激しいショックを受ける。遺体には首がなかった
のだ。
刑事のミッキはドロールを真犯人だと睨んでおり、再び乱暴なやり方で拘束する。
そこへ少女の父親が現れ、借りたばかりの小屋に連れていく。彼は娘の首がどこ
にあるのかドロールに白状させるためにその小屋を借りたのだった。つまり拷問
部屋である。それから父親の残酷な拷問が始まった。それは暴力刑事のミッキで
さえ「やりすぎだ」と言う程のもの。だがいかにもおとなしく内気に見えるドロ
ールは耐えに耐え、殺してないと言い続ける。
メインの登場人物は刑事のミッキ、容疑者のドロール、被害者の父親のギディの
3人である。小屋の中で行われるドロールへの拷問は凄まじい。それをギディは
ある意味楽しんでやっているように見える。ノリノリなのだ。人は激しい憎悪を
抱いた時鬼になれるのだと思った。この映画、ネットのレビューだと評価があま
り高くないのだが、私はおもしろかった。突っ込みどころもあったけれど。
ギディが借りた小屋の場所が、アラブ人が多い地区で治安が悪いとか、ミッキが
夜道でアラブ人に出会っただけで両手を上げてしまうシーンとか、イスラエルと
いう国の特徴を表していて、興味深かった。「プリズナーズ」に少し似た感じだ
が、こちらの方がずっとラストの後味は悪い。




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コメント (4)
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