2016年の日本映画「聖の青春」。
幼少期から難病のネフローゼ症候群を患っていた村山聖(松山ケンイチ)は、入退院を
繰り返す中で将棋と出会い、15歳で森信雄(リリー・フランキー)に師事する。10年
後、名人になる夢を叶えるべく上京した聖は、周囲に支えられながら将棋に全力を注
ぎ、同世代で名人のタイトルを獲得した羽生善治(東出昌大)に激しいライバル心を燃
やす。更に将棋に没頭する聖だったが、癌が彼の体を蝕んでおり、同世代のライバル
たちとまさに命を削りながら将棋を指す。
羽生善治氏のライバルで、「東の羽生、西の村山」と言われたが、29歳の若さでこの
世を去った村山聖氏の人生の物語である。私は将棋のことは何も知らないし、こんな
人がいたということも知らなかった。子供の頃から難病で、すぐに高熱を出す。体調
不良と戦いながら、将棋に人生を捧げた人である。とにかく松山ケンイチの演技が神
がかっていた。この役のために20kgくらい体重を増量し、村山氏になりきっていた。
少女漫画を大好きなのも村山氏のおもしろいところである。長い入院生活の中で将棋
と漫画にはまったんだろうなあ。ただこの人、浴びるようにお酒を飲むのだが、それ
は病気に良くなかったんじゃないだろうか、と思う。ネフローゼ症候群を具体的には
知らないが、大量の飲酒が彼の命を縮めたような気がしてならない。
羽生善治氏役の東出昌大も良かった。この人はよく演技がヘタだと言われているけれ
ど、この映画ではそれほど悪くなかったと思う。染谷将太、筒井道隆、安田顕など、
キャストは皆良かった。羽生対村山の最後の対局のシーンはとても迫力があった。あ
れは将棋を知らない者が見てもおもしろいと思う。
1つ気になったのだが、最初の方で母親が聖を病院に連れていった時、医師が「お母
さん、どうしてもっと早く連れてこなかったんですか。これは一生付き合っていかな
ければならない病気です。お母さん、息子さんを大変な病気にしてしまいましたね」
と言うシーンがあるのだが、難病なのに早く病院に来ていたら何とかなったのだろう
か。軽く済んだのだろうか。まるで母親のせいで難病になったかのような医師の口ぶ
りに納得がいかなかった。
泣かないつもりだったけど、最後はやっぱり泣けて仕方がなかった。ラストシーン、
良かったなあ。
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幼少期から難病のネフローゼ症候群を患っていた村山聖(松山ケンイチ)は、入退院を
繰り返す中で将棋と出会い、15歳で森信雄(リリー・フランキー)に師事する。10年
後、名人になる夢を叶えるべく上京した聖は、周囲に支えられながら将棋に全力を注
ぎ、同世代で名人のタイトルを獲得した羽生善治(東出昌大)に激しいライバル心を燃
やす。更に将棋に没頭する聖だったが、癌が彼の体を蝕んでおり、同世代のライバル
たちとまさに命を削りながら将棋を指す。
羽生善治氏のライバルで、「東の羽生、西の村山」と言われたが、29歳の若さでこの
世を去った村山聖氏の人生の物語である。私は将棋のことは何も知らないし、こんな
人がいたということも知らなかった。子供の頃から難病で、すぐに高熱を出す。体調
不良と戦いながら、将棋に人生を捧げた人である。とにかく松山ケンイチの演技が神
がかっていた。この役のために20kgくらい体重を増量し、村山氏になりきっていた。
少女漫画を大好きなのも村山氏のおもしろいところである。長い入院生活の中で将棋
と漫画にはまったんだろうなあ。ただこの人、浴びるようにお酒を飲むのだが、それ
は病気に良くなかったんじゃないだろうか、と思う。ネフローゼ症候群を具体的には
知らないが、大量の飲酒が彼の命を縮めたような気がしてならない。
羽生善治氏役の東出昌大も良かった。この人はよく演技がヘタだと言われているけれ
ど、この映画ではそれほど悪くなかったと思う。染谷将太、筒井道隆、安田顕など、
キャストは皆良かった。羽生対村山の最後の対局のシーンはとても迫力があった。あ
れは将棋を知らない者が見てもおもしろいと思う。
1つ気になったのだが、最初の方で母親が聖を病院に連れていった時、医師が「お母
さん、どうしてもっと早く連れてこなかったんですか。これは一生付き合っていかな
ければならない病気です。お母さん、息子さんを大変な病気にしてしまいましたね」
と言うシーンがあるのだが、難病なのに早く病院に来ていたら何とかなったのだろう
か。軽く済んだのだろうか。まるで母親のせいで難病になったかのような医師の口ぶ
りに納得がいかなかった。
泣かないつもりだったけど、最後はやっぱり泣けて仕方がなかった。ラストシーン、
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