猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

聖の青春

2017-07-03 22:34:54 | 日記
2016年の日本映画「聖の青春」。
幼少期から難病のネフローゼ症候群を患っていた村山聖(松山ケンイチ)は、入退院を
繰り返す中で将棋と出会い、15歳で森信雄(リリー・フランキー)に師事する。10年
後、名人になる夢を叶えるべく上京した聖は、周囲に支えられながら将棋に全力を注
ぎ、同世代で名人のタイトルを獲得した羽生善治(東出昌大)に激しいライバル心を燃
やす。更に将棋に没頭する聖だったが、癌が彼の体を蝕んでおり、同世代のライバル
たちとまさに命を削りながら将棋を指す。

羽生善治氏のライバルで、「東の羽生、西の村山」と言われたが、29歳の若さでこの
世を去った村山聖氏の人生の物語である。私は将棋のことは何も知らないし、こんな
人がいたということも知らなかった。子供の頃から難病で、すぐに高熱を出す。体調
不良と戦いながら、将棋に人生を捧げた人である。とにかく松山ケンイチの演技が神
がかっていた。この役のために20kgくらい体重を増量し、村山氏になりきっていた。
少女漫画を大好きなのも村山氏のおもしろいところである。長い入院生活の中で将棋
と漫画にはまったんだろうなあ。ただこの人、浴びるようにお酒を飲むのだが、それ
は病気に良くなかったんじゃないだろうか、と思う。ネフローゼ症候群を具体的には
知らないが、大量の飲酒が彼の命を縮めたような気がしてならない。
羽生善治氏役の東出昌大も良かった。この人はよく演技がヘタだと言われているけれ
ど、この映画ではそれほど悪くなかったと思う。染谷将太、筒井道隆、安田顕など、
キャストは皆良かった。羽生対村山の最後の対局のシーンはとても迫力があった。あ
れは将棋を知らない者が見てもおもしろいと思う。
1つ気になったのだが、最初の方で母親が聖を病院に連れていった時、医師が「お母
さん、どうしてもっと早く連れてこなかったんですか。これは一生付き合っていかな
ければならない病気です。お母さん、息子さんを大変な病気にしてしまいましたね」
と言うシーンがあるのだが、難病なのに早く病院に来ていたら何とかなったのだろう
か。軽く済んだのだろうか。まるで母親のせいで難病になったかのような医師の口ぶ
りに納得がいかなかった。
泣かないつもりだったけど、最後はやっぱり泣けて仕方がなかった。ラストシーン、
良かったなあ。




全般ランキング

人気ブログランキング
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする