猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

Mr.ホームズ 名探偵最後の事件

2016-10-22 23:23:36 | 日記
2015年のイギリス・アメリカ合作映画「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」。
1947年、現役を引退していた93歳のシャーロック・ホームズ(イアン・マッケラン)は、
家政婦のマンロー夫人(ローラ・リニー)と彼女の息子であるロジャー(マイロ・パー
カー)と共にサセックスの農場で、ミツバチの世話をして暮らしていた。彼は、自身を
引退に追い込んだきっかけとなったアン・ケルモット夫人(ハティ・モラハン)の事件に
ついて、手記を書こうとしていた。しかし老齢のホームズは既に痴呆が進んでおり、
記憶が曖昧になり過去を思い出すことが難しくなっていた。ホームズは自身のファン
であるという梅崎(真田広之)の求めに応じて日本の広島を訪れ、記憶力の維持に
効くという山椒を受け取る。その際、梅崎に「外交官だった父はあなたの忠告を受け、
生涯日本に戻らなかった」と責められるが、ホームズは梅崎の父に関する記憶を思い
出すことができなかった。帰国したホームズは手記の執筆に専念するが、事件の核心
を思い出せずに焦りを感じていた。

93歳で痴呆が進んでいるシャーロック・ホームズという、ある意味衝撃的な設定で
ある。私はこの映画をあまり評価できない。原作があるようだが、作家はどういうつ
もりでこの小説を書いたのかなあ、と思った。ホームズが年老いているからだろうが、
全体的にテンポが悪くて少し退屈だ。世界中のシャーロキアンたちはこの映画をど
う思っただろうか。私はシャーロキアンと言うほど詳しくはないが、シャーロック・ホー
ムズのファンの1人である。なんかこんなホームズ見たくなかったなあ、という感じ。
私のホームズのイメージは、長身で頭脳明晰で自信家で不遜、でも紳士。けれども
この映画の人間くさいホームズも悪くはないかも。
ホームズにとって大失態で、探偵業を引退に追い込んだアン・ケルモット夫人の事
件。これが私の中でしっくりしないのだ。アンの夫に、妻の様子がおかしいからと調
査を依頼されたホームズ。夫の心配はわかる。どう見てもアンは精神的に不安定だ。
ホームズに、夫に対する怒りをぶつけるアンだが、怒るところだろうか。私は彼女が
嫌いだ。結局ホームズは夫に憎まれることになってしまう。
家政婦の10歳の息子ロジャーがいい。ホームズに懐いていて、ロジャーの言動が
所々でホームズの記憶を取り戻すきっかけになっている。昔のジャック・ワイルドに
少し似ている。ローラ・リニーは演技はうまいのだろうけど、顔が好きじゃない。でも
この役には合っていたと思う。昔のイギリスの風景はとてもきれいだ。ラストの、ホー
ムズが石を並べていくシーンは感動的だった。最初にこの映画をあまり評価できな
いと書いたが、なんだかんだでおもしろかったのは、イアン・マッケランの演技の素
晴らしさのせいかもしれない。



人気ブログランキングへ
映画(全般) ブログランキングへ
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする