猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

コーヒーをめぐる冒険

2016-10-15 22:37:29 | 日記
2012年のドイツ映画「コーヒーをめぐる冒険」。
2年前に大学を中退したことを父に秘密にしたまま、自堕落な毎日を送っている青年
ニコ(トム・シリング)。恋人の家でコーヒーを飲み損ねた朝、車の免許が停止になった。
アパートでは上階に住むオヤジに絡まれ、気分直しに親友マッツェと出かけることに。
すると、クサい芝居の売れっ子俳優、昔ニコに片思いしていた同級生ユリカ、ナチス政
権下を生き抜いた老人等々、ニコの行く先々で癖のある人たちが次々と現れる。

モノクロームのコメディ映画である。特に"ドイツっぽさ"は感じないのだが、ふんわりと
した感じでとてもおもしろかった。ドイツ・アカデミー賞を総なめにしたらしいのだが、確
かにおもしろいがこういう映画がアカデミー賞って、ドイツ人の感覚って平和なんだなあ、
と思った。
朝コーヒーを飲み損なってから、幾度もコーヒーを飲もうとするが、色んな理由でなか
なか飲めないニコの姿がユーモラス。いつになったらこの人はコーヒーを飲めるのだろ
う?と思いながら観るのだが、飲めない不運と同時に、行く先々で変な人々に出会って
しまうのがおもしろい。ニコは基本的に気弱な青年のようで、はっきりと断れずに度々
人に流されてしまう。ニコ役の俳優も、特別イケメンでもなく普通~なのがいい。
でもただのコメディ映画では終わらない。ニコのついてない1日を描いたこの物語、ラス
トはホロリとさせられる。きっとニコにとっても、実のある特別な1日になったに違いない。
掘り出し物ですよ、この映画。




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コメント (2)
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