猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

オデッサ・ファイル

2016-08-15 07:08:44 | 日記
1974年のイギリス・西ドイツ合作映画「オデッサ・ファイル」。
1963年11月22日、西ドイツのハンブルグ。車を走らせていた新聞記者あがりの
ルポライター、ペーター・ミラー(ジョン・ヴォイト)は、突然入ってきたカーラジオの
臨時ニュースに耳を傾けた。それはケネディ大統領暗殺のニュースだった。その
時1台の救急車が彼の車を追い越していった。ミラーは反射的にその後を追った。
それはルポライターとしての本能のようなものだった。事件は1人の老人のガス
自殺だった。現場にはミラーの学友だったハンブルグ警察のブラント警部補が
いた。翌日、ミラーはブラントから老人が残した日記を手渡された。老人はドイツ
系ユダヤ人で、その日記はラトビアのリガにあった収容所での地獄のような生活
を記録したものだった。老人は、リガ収容所長だったSS大尉エドゥアルト・ロシュ
マン(マクシミリアン・シェル)の非人道的な残虐さを呪い、いつか復讐しようとして
いたが果たせず、絶望のうちに自殺したのだった。ミラーはその老人に代わって
その殺人鬼を捜す決意をした。

40年以上前の映画だが、古さを感じさせず、とてもおもしろかった。社会派サス
ペンスで、ジョン・ヴォイトが若々しい。タイトルのオデッサ・ファイルというのは、
実在するもので、元SS隊員で作られた、仲間を助けるために様々な活動をして
いる秘密組織のファイルのことだという。新しい名前や職業を与え、世界のあら
ゆるところで普通に生活していくための組織。そんなものがあるんだなあ。
当然主人公のミラーは危険な目に何度も遭うわけで、ハラハラする。あ~身元が
バレちゃったらどうしよう~、と思いながら観る。この映画のジョン・ヴォイトの演
技はかなりいいのではないか。序盤の老人の自殺はとても悲しい。ナチスの収
容所に入れられた経験がある人は、それを忘れられるはずがないのだ。リガの
収容所長だったロシュマンも実在の人物で、ちょっと調べてみたけど、サディスト
なんだろうな、と思う程残酷な性質だったようだ。
ストーリーは良かったけど、1つ残念に思うのが、ラストでどんでん返し的なエピ
ソードがあるのだが、あれいらなかったんじゃないかなー、ということ。ネタバレ
になってしまうので書けないが、あくまでミラーの目的は自殺した老人の無念を
晴らす、ということにして欲しかった。それと私はテレビ放送で観たのだが、ペー
ターがピーターと字幕に書かれていたのが違和感があった。ドイツなんだから
やっぱりペーターでしょ。



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コメント
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