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地震の構造と+α いろいろ考えてみよう!

自分が、日ごろ思ったことを記録しておくブログです。今は「地球の構造と地震の関係」という内容です。

マントルトモグラフィーと浮遊塊

2016-09-20 04:07:31 | 日記
 9月12・13日に浮遊塊について書きました。これを9月15日のマントルトモグラフィーで探してみよう、というのが、今回のお話です。

 そうすると、2800キロメートルの図を見ると分かると思いますが、なぜか、ここで突然、青い範囲が大きく広がっている部分がユーラシアの下にありますね。その他の深度でも、突然青い部分が現れているところが結構あります。
 もしも、地殻から連続して存在している青い部分であれば、ここは「固体が連続している」と考えられますが、上層部からいったん途切れてしまっている場所に、再び青い部分が出てくるのは、地殻と判断するのは、ちょっと不自然です。

 したがって、その部分が「浮遊塊」なんだ、と判断した方が適切だろうと考えています。さらに言うと、この図では、深度が200キロメートルや400キロメートルで区切られていますが、浮遊塊で、これより薄い~厚さが100キロメートル以下~の浮遊塊であれば、この図で認識されないままになってしまう可能性もあります。ひょっとすると、ちょっとだけ青い部分が見えているのは、実は、もっと大きな浮遊塊の一部が見えているだけ、という可能性も否定できません。

 そして、この「浮遊塊」は、その「塊が構成している物質」によって、深度の違う位置に存在しているだろう、ということです。この部分が「氷」と同様に見ることができない部分なのですが、基本的に「同密度」の物質が液体と固体で存在する場合、固体の方が比重が高くなるため、下にしずむ、と考えた方がいいと思います。

 すると、地殻下部で生成された比重の大きい浮遊塊は、上に浮かんでくることなく、むしろ、下に沈んで行くような動きになるだろう、ということです。逆に、地殻の上部を熱で浸食した物質が沈んで行く途中で固まって地殻を形成し、それが切り離されてできた浮遊塊では、、上に浮かんでくる動きになるだろう。中間部で生成された浮遊塊は、その比重に見あうところで、浮遊し続けるだろう、ということになります。
 そして、この浮遊塊の接触による地震も起きる可能性がある、ということです。
 この「浮遊塊地震」については、後述しようと思いますが、いずれにせよ、地震が起きた際、明らかに同一震央で地震の深さが明らかに今までと違う、ということが起きた場合、この「浮遊塊地震」も想定しておかなければならないでしょう。
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プロミネンスとプルーム

2016-09-19 05:18:10 | 日記
 9月17日の図に、地球プロミネンスを組み入れるために、まず、ここで地球プロミネンスとプルームとの違いを確認しておこうと思います。
 まず図をみてください。図1は地球プロミネンスが発生した場合、どのようになるか、ということを表した図。図2は、プルームの場合を表した図です。


 まず図1の左は、地球プロミネンスが発生した直後の図だと思ってください。この場合、瞬間的に中心から地表に向かって熱や発生した物質がほぼ垂直にのぼっていきます。それが、少し時間がたつと、中心部分では、密度の小さい物質が、上昇の通り道ができたところに集まって、そこから上昇しようという動きになります。したがって、マントルトモグラフィーでみると、中心近くの深い部分では、密度の小さい物質の量が増えるように見えます。ただ、この際、中心近くの密度の高い物質が再び中心近くに集まって、密度の小さい物質の上昇口をふさぐような動きになります。したがって、密度の小さい物質の上昇量は徐々に減少していきます。
 また、マントルの真ん中あたりに残っている密度の小さい物質は、そのまま上昇を続けていき、やがて地殻付近に達します。となると、プロミネンスが発生した後は、地表近くと中心近くに密度の小さい物質が集まったような状況になり、マントルの真ん中部分は押されて、細くなっているように見えるはずです。
 そして、最終的にこの部分は消滅します。おそらくは、自転の影響が出るような状況であれば、その自転の力で、マントルが大きく動き出すため、密度の小さい物質の上昇の流れをふさいでしまうと思います。ですから、この上昇流は西に流れているように見えるような形を形成する前に消滅してしまうのではないか、と考えています。

 これがプルームになると、図2で示したように、上昇口付近に密度の小さい物質が集まってきます。そして、圧力によって押されていた物質が地表に向かう際、徐々に圧力から解放され、広がっていきます。さらに自転の力が働き、西にずれているように見えるはずです。

 さて、この2つの状況と、マントルトモグラフィーを比較してみてみると、例の「ニュージーランドの下部で起こっている現象は、地球プロミネンスだ」と推測できるわけです。
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地球内部の熱状況

2016-09-17 04:35:35 | 日記
 昨日、一昨日とマントルトモグラフィーを見てきたわけですが、ここで、7月23日・24日の記事で触れた地球内部の熱の状況を、もう少し詳しく確認しておこうと思います。
 話の流れとして、基本構造からスタートして、徐々にいろいろなものを付け足していった方が分かりやすいと思うので、今回は、その基本部分だけのお話です。


 まず、図1ですが、これは、ざっくりと地殻・マントル・中心部と分けたものです。そして、ここで言う中心部というのは、太陽のように「核分裂・核融合を起こしながら熱を発している部分という認識です。すると、ここで起こった核分裂によって、密度の小さい物質が生成されるはずです。ところが、マントル底部は高密度で、状態は非常にドロドロしているはずです。場合によっては圧力がかかっているので固体に近い状況とも考えられます。
 そうなると、中心部で発生した低密度の物質は、すぐには上に上がっていけない状況になっているだろう~停滞している部分があるだろう、と考えています。そこが中心の周りにある「密度の低い層」です。ということで、この低密度の物質は、状況としては「徐々に高密度の物質の中に入り込んでいきながら、ゆっくりと上昇していく」という動きであろう、と想像しています。

 次に図2ですが、これはマントルの状況を表した図です。原理をわかりやすくするため、ここでは「低密度の層・中密度の層・高密度の層」に分けて考えてみます。

 まず、マントル底部の高密度の層ですが、中心から発した熱で温められます。すると、周りの同密度の物質より比重が軽くなるため、上昇します。そして、上昇しながら、受けた熱を徐々に周りに放出します。そして、比重の近い中密度の層のあたりまでくると、自らの比重が重いため、そこから上に上がっていけなくなります。そのときに中密度の層の物質に熱を与えて、自らは比重が重くなり、また下降していく、という動きになります。
 中密度の部分や低密度の部分でも、それと同様の状況が生まれ、熱がどんどん上部の層に伝わっていきます。
 ただし、球体では、中心部より周辺部の方が体積が大きく広がっていくので、熱は拡散され、温度が徐々に下がっていき、地殻近辺では完全に冷やされてしまいます。
 図では、構造をわかりやすくするため、層に分けて書きましたが、実際は、こういうハッキリとした層は存在せず、グラデーションのように密度に応じて物質が存在していると考えてください。そして、全体的に物質移動と熱交換が行われていると考えてほしいと思います。

 これが、マントルの熱の基本的な動きです。
 要するに、中心ほど温度が高く、周辺ほど温度が低い。だから周辺部分にマグマが冷やされてできる「地殻」が存在するわけです。もしも、マントルトモグラフィーで言うような「マントル底部が温度が低い」という状況であれば、中心部で地殻が生成される、というとんでもない話になってしまいますよね。この点でも、地震波と温度は別物、と考えた方がよさそうですね。
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プルームテクトニクスと熱上昇の誤謬

2016-09-16 04:57:10 | 日記
 昨日の続きです。
 昨日は、図の青い部分に着目したので、今回は赤い部分に着目してみようと思います。昨日の図を参考に見てください。

 7月31日に書いた記事では、プレートの端の比較的浅い部分やプレートの浅い部分に熱が滞留する、ということを書きましたが、これを見ると浅い部分で環太平洋造山帯のところに、密度が小さく液体状のものが集中しているということが分かります。そして、もう一つは、アラビアプレートの下も、赤くなっていますよね。ですから、ここも小さく浅いプレートだ、ということができると思います。

 そして、おそらく、プルームテクトニクス理論に一番影響を与えたのではないか、と思われるのが、ニュージーランドのところの赤い部分です。
 この部分、深度が変わっても、ずっとここに赤い部分があるんです。そこで、ここから「ホットプルーム~いわゆる、熱が上昇してきている」という理論になったのではないかと。

 ところが、これ、よくよく考えてみてください。地球は自転しているわけですから、もしも、ある程度恒常的に熱が上昇してきているなら、この赤い部分は上に上がってくるにつれて東西方向にずれるはずなんです。おそらくは少しずつ西にずれて上がってくるはずなんです。それが、ほとんど真上に上がってきているんです。

 ということは、この密度の低い物質の上昇は、自転に左右されない状況で上がってきているということになります。となると、この部分、自転のスピードが関係ないくらい、一瞬でズバッと地殻付近まで上昇してきた、と考える以外に無いんです。
 実は、これが7月23日に書いた「地球プロミネンス」です。要するに、以前も書きましたが、地球の中心に核融合や核分裂を起こして熱を発生しているところがあるならば、太陽と同様の爆発を起こす可能性があるだろう、ということなんです。そして、その核分裂によって生成された密度の比較的小さい物質が爆発とともに一気に地表近くまで上がってきたと考えているんですね。
 そして、1600キロから2800キロにかけて、南アフリカのあたりに赤い部分がありますが、これがおそらく「地球フレア」の跡ではないか。割と幅広い部分で爆発を起こし、それが密度の高い物質で遮られ、深いところで密度の低い物質が停滞しているのではないか、と考えているんです。
 要するに、ホットプルームなんていうものではないんだ、ということですね。

 そして、この地球内部の爆発現象が、地殻に大きな影響を与えていると考えているんです。その影響については、後述しようと思っています。
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プルームテクトニクスと熱の誤謬

2016-09-15 04:34:35 | 日記
 今まで何度か書いてきましたが、これがマントルトモグラフィーの図です。

 自分が思っているのは、たぶん、これがプルームテクトニクス理論の原典になっているのではないか、ということなんですが、これについて、自分なりの見解をお話ししていこうと思っています。

 今回は、その一つ目で「温度」について。
 トモグラフィーというのは、もともと地震波の測定などに使われるものなのですが、この図は、この地震波のスピードを計測することで、地球内部の状態を知ろうという図なんだ、と思ってください。もともと地震波は固体であれば、速度が速く、液体で遅くなるという性質があるので、速度の速いところ、遅いところをそれぞれ色分けしてあるんですね。そして、それぞれの深度で、どのような状態なのかを見ることができるんです。

 ここで、一番最初に見るのは、完全に真っ青の部分。ここは固体ですから、地表からずっと続いて青く存在しているのは、そのまま「地殻」と判断できると思います。
 そうすると、南北アメリカプレートって、結構、下まで地殻が存在することが分かるでしょうか。たぶん1600キロメートルくらいまで地殻の先が存在するようですね。それから、今まで書いてきましたが、中国の山東省近辺って、えぐれたような感じで結構深くまで地殻が存在しているのが分かるでしょうか。600キロメートルくらいまであるんですよ。そして、インドプレート(文字通りインドのあたり)は、地表として見えている部分が小さい場合、地殻が小さくて浮力を持つためには、そこそこ深いところまで地殻が存在しなければならない、ということもわかると思います。
 ところが、フィリピン海プレートって、小さい割に地殻が浅いんです。ですから、もともとの浮力はあまりないはずなんですよ。
 この点が後から大事になってきます。

 そして、ここで大事なことがもう一つ。
 これ、図では温度に対応していることになっています。ところが、これ地震波の速度が速いか遅いかの図ですよね。で、もしも、単体の物質であれば、固体・液体・気体で温度が違うという設定はわかりますが、密度の違う物質が混ざり合っている状態で、果たして適正な温度を表現できるか、ということ。つまり、温度には対応していないんです。ここが間違いの元だと思っているんです。
 常識的に考えても、常温で20度の水と80度まで温めた鉄を比較すると、地震波は固体の鉄の方が速くなりますよね。でも温度は鉄の方が高いんです。ところがこの図だと、鉄は温度が低いと表示されることになるんです。あり得ません。もちろん、マントル底部は、密度が高く、圧力も高い部分になるはずですから、そうすると、地震波は温度にかかわらず速くなるはずです。実際にこの図では1200キロあたりから温度が全体的に低くなってしまっていますよね。
 でも、実際は、中心で熱が発生しているので、中心から地殻に向かって温度が下がってきているとみる方が当たり前ですし、地殻の凸凹が影響しない、マントルの底部では回転によるマントルの流れがある程度一定に流れていて、物質が均一化しているのが分かると思います。

 ですから、プルームテクトニクスの失敗は、この地震波の図を温度の図とすり替えてしまったことに原因があります。もしも、これを温度に置き換えるなら、物質の違いや圧力の違いを考慮に入れ、その部分の修正をかけなければならないのですが、そういう表記は見当たらないんです。ましてや物質の分布なんていうのも、まだ全然わからない状態ですから、こういうバイアスをかけるのは無理でしょう。
 ですから、これは単純に「地震波の速度を表す図」という見方でしかありません。今後、自分がマントルトモグラフィーのお話をするときには、単に「地震波速度の図」という観点でしか利用しませんので、ご了承ください。
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韓国の地震と今後の動向

2016-09-14 04:28:26 | 日記
 本当は違う内容を予定していたんですが、韓国で大きな地震が起きたので、これについてお話しておきますね。
 今回の2度の地震は、いずれも震源の深さが10キロメートルと浅く、マグニチュードは9月13日19時44分は5.1、同日20時32分は5.7ですね。

 8月25日に韓国での地震の増加の原因を書きましたが、たぶん、そこで書いた通り、地殻が薄くなって、今までの日本と同じようなメカニズムで地震が起こることが予想されます。そして、問題は「今後の余震」。

 9月11日に書いた「四川省」の地震の影響で、日本で起こる地震がどのようになるか、ということを踏まえると、もしも、韓国で起きた地震の余震がいつまでも続く~いわゆる熊本と同様の状況になった場合、今回の韓国の地震は、地殻上部で引き離しが起こったと考えることができますから、中央構造線の「沈みこみによる引き離し」を緩和する動きになるはずです。

 それとは逆に、もしも余震が比較的早めに収まったら、地殻上部で圧力がかかったと考えられるので、中央構造線より北側の地殻を押し上げる力が働いたということになりますから、中央構造線での引き離しが、さらに大きくなることが予想されます。

 個人的には7月にも地震が起きていますから、引き離しによって、地震が続いている状況の方が正しいのではないか、と予測しています。
 今後の動きにも警戒しておきましょう。
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新たに生成される浮遊塊

2016-09-13 04:47:53 | 日記
 昨日の続きで浮遊塊について。
 昨日は、地殻生成期にできた浮遊塊でしたが、新たに生成される浮遊塊も存在すると思われるので、それについてのお話です。

 まず、一つは、昨日も書いたように、以前にできていた浮遊塊が地殻にくっついた状態になっていて、それが熱浸食によって分離するケースですね。もちろん、大きなものや小さなものまでたくさんあるだろうと思われます。
 もう一つは、地震などで崩壊した「かけら」がマントルの中を浮遊するというもの。比較的小さなものになると思いますが、中には、以前にできていた塊が大きく引きはがされるようなケースも想定に入れておかなければなりませんね。
 そして、もう一つが図のケース。


 もともと、深くまで到達していた地殻の上部が熱浸食によって削られ、最終的に浸食された部分より下部が引きちぎられた状態になったもの、というケースです。

 さて、浮遊塊には、その密度の違いによって、存在の仕方も大きく2パターンある、と考えています。
 一つは、密度が小さいため、地殻の下まで浮き上がってきて、地殻下部の熱によって溶けかかっている部分とくっついたり離れたりしている浮遊塊。8月31日の記事で、地殻の下部は熱によってゲル状になっていると書きましたが、そのゲル状の部分で接触すると、このようになるだろうと想定しています。
 もう一つは、密度が大きい物質で構成されているため、マントルに沈んだまま浮遊しているもの。おそらく、同一物質で構成されている場合、液体よりも固体の方が密度が高くなるため、ある程度まで下に沈んだ状態で浮遊しているものがあると推測しています。

 実は、時折、震源の深い地震が、ある一定の範囲で頻発することがあるのですが、これ、ひょっとしたら、深いところに沈んだままの浮遊塊が、地殻下部と接触して起こっているのではないか、と思わるようなケースがあるんですね。実際のところは、正直、確信は持てませんが、可能性としてはある、くらいに思っておけばいいと思います。
 また、マントルは、東から西に向かって移動していると考えていますし、温度の高いところに浮かんでくるということを考え合わせると、日本の下部やそれよりやや中国よりのところに小さな浮遊塊が集まってきやすいのではないか、とも考えています。

 ただ、いずれにせよ、この浮遊塊、そのままであれば、マントルの熱によって浸食され消滅していくのだと思います。ですから、実在することを証明するためには、それこそ、マントルトモグラフィーのような調査を継続的に行わなければならないと思います。
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地殻生成期の浮遊塊

2016-09-12 22:01:16 | 日記
 昨日、一昨日のお話で「フィリピン海プレートの立場が変わった」ということを書きましたが、なぜ、そのようなことが起きたか、というお話をする前に「浮遊塊」についてお話ししておこうと思います。

 浮遊塊というのは、皆さんがジュースを飲んだり、お酒を飲んだりするときに、グラスに入れた氷を想像してもらえると、分かります。グラスに氷を入れると、表面に見えている氷のほかに、上にのった氷に押されて完全に沈んでしまって、グラスの上から見たときに見えない氷もありますよね。このように、地球にも、陸地として、今現在私たちが考えているプレートの他に、完全にプレートの下に沈んでしまっていて、陸からは見えない地殻の塊がマントルに沈んだ状態で存在するだろう、ということです。これを一応、このブログでの用語として「浮遊塊」と名付けました。
 実際に、プレートテクトニクス理論では、この「浮遊塊」が存在する、というお話になっています。
 そして、今回は、地球ができて、地殻ができ始めたときに存在していただろうと思われる浮遊塊についてです。

 8月24日に地殻の生成について述べていましたが、単に初期塊だけではなく、中期塊もマントルの冷却によって、塊同士の隙間を埋め、それで一つの大きな塊になった、と考え行くわけですが、その際に、浮遊塊も一緒にくっついた、と考えることができます。それが図です。


 もちろん、プレートが生成される際にマントルの冷却でつながったとするならば、浮遊塊でも同様の現象が起きたと考えるのが自然ですね。そして、この浮遊塊ですが、地球の膨張・収縮の繰り返しにより、地表にくっついたり、離れたり、もしくは、熱浸食によって消滅したり、を繰り返してきたと考えられます。ただ、比較的しっかりとくっついていたものは、現在でもくっついたまま残っているのではないか、と考えているんです。

 となると、もしも、地球が膨張期に入って、熱による浸食が活発になったときに、この隙間を埋めた部分が溶けていき、浮遊塊の分離が起きたらどうなるか、ということです
 そうなると、当然、地殻の厚さが減少し、浮力が大きく失われることになります。そして、この浮遊塊、名前の通り、いったん、地表を形成する地殻から離れた場合、マントルの流れに乗って、移動するということが考えられるわけです。

 実は、震源の深さを追いかけていると、なぜか突然、同一震央であるにも関わらず、60キロメートルあった震源が40キロメートルと浅くなったり、100キロメートルと深くなったりする場所が出てくるんです。もちろん、そういう場所では、たまたま、プレートの内部で崩壊が起きたと考えられないこともないのですが、基本的に「内部のみ圧力がかかる」ということはあまり考えられません。プレートの重心移動を考えてみても、一番最初に圧力の影響が出るのは、一番浅い部分か、一番深い部分、となると思います。となると、震源の深さが極端に変わってくるのは、あまりにも不自然なんですね。

 ちなみに、今年の9月9日23時の地震は深さが100キロと、今まで地表近くで起こっていた地震が、急に震源が深くなっているんですが、9月9日20時の茨城県沖は50キロ。9月8日15時の茨城県沖は40キロ。9月7日の茨城県南部13時は50キロと、今までの震源の深さと同様の深さで起きているんです。
 これ、ひょっとすると、太平洋プレートで剥離して浮遊塊となったものが、茨城県に到達し、この浮遊塊とプレートの接触面で衝突が起こって起きた地震と、この浮遊塊の下部の浸食で起こった地震と捉えると、スッキリする感じがします。
 これも一つの可能性として考えておいた方がいいと思いますね。
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四川省地震と日本の地震

2016-09-11 05:49:59 | 日記
 昨日の記事で、四川省地震のメカニズムも同じ、と書きましたが、この四川省で起こった地震も震源の深さが19キロメートル、逆断層も確認されているので、要するに地殻上部に圧力がかかった地震ということができます。ですから、崩壊の起き方は昨日書いた内容と同様だと思ってください。
 ところで、この中国内陸部の地震、何となく「日本で大きな地震が起きたあとに起きる」というふうに思っている方もいらっしゃるのではないかと思います。
 例えば、四川大地震と言われている地震は、新潟中越・新潟中越沖のあとに起きていますし、東日本大震災の後にも四川省で地震が起きているのは、記憶に新しいと思います。そこで、ここでは、四川省で起きる地震と日本の地震の関連性をみていきたいと思います。


 8月22日の記事で、地殻の浸食と生成について書きましたが、ここで書いた通り、日本の下部で浸食が起きた場合、そこでマントルが冷却されるわけですから、マントルが沈んでいきます。そこでさらに冷却されると、今度はマントルが地殻の生成を行います。その生成が起きている場所が、日本から少し中国によったところで、現状ではおそらく山東省のあたりではないか、と推測しています。というのは、地震の震源を追いかけていると、この辺の震源は基本的に深いんです。ですから、地殻がそこまで生成している状況と考えているんです。そして、この辺りがおそらくは中期塊となっているのではないかと考えています。
 すると、ユーラシア全体では沈み込みが起きているわけですが、ここだけは、地殻の生成が行われていて浮力が増加しているということになります。そうすると、全体に動きに反した上に向かって力が働くことになります。そして、その結果、ひずみが来るのが四川省のあたり(図1)。
 さらに言うと、このゆがみが、場合によってはチベット・ウイグルあたりにも及んでいるのではないか、先日、ヒマラヤで大きな地震がありましたが、その原因となっている可能性がある、と想定しています。

 ですから、日本で地震が起き、ユーラシアの沈み込みが助長されると、その反動で浮力のある山東省あたりの地盤が浮こうとするため、中国内陸で地震が起きる、というメカニズムではないか、と考えています。

 そして、今後、この中国内陸の地震の影響が日本にどのように出るか、ということですが、昨日書いたように、東日本大震災以前の地震であれば、浮力がかかることによって、日本の地盤のそりが緩和されるわけですから、日本で大きな地震が起きづらくなります(図2)。ところが、現在は、沈み込み力が日本の地盤に働いているわけですから、浮力で上昇すると、今度は逆に切れ目が広がる動きになってしまいます(図3)。
 もしかすると、今回の熊本地震は、ヒマラヤの地震によって助長された可能性もある、と考えておいていいと思います。

 となると、今回の地震に関しては「もし、今後、四川省で地震が起きると、かえって中央構造線上で大きな地震を起こす可能性がある」と考えておいた方がいいと思います。中国内陸部の地震にも注目していてください。
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阪神大震災・新潟中越地震とフィリピン海プレート

2016-09-10 04:28:58 | 日記
 東日本大震災を境にして、地震の傾向が変わったということを以前書きましたが、どこがどう違うかということを理解するために、今回は、東日本大震災の前に起こった、大きな2つの地震のメカニズムについて確認しようと思います。まずは図から。

 図を見てもらえば分かると思いますが、構造的には東日本大震災のときと同様の構造になっています。
 まず、ユーラシアプレートは、恒常的に沈み込みを起こしています(9月4日・5日記事参照)。そして、このときはまだフィリピン海プレートは沈み込みが小さい段階で、ユーラシアプレートを支える方の立場でした。となると、ユーラシアプレートがフィリピン海プレートを押しながら沈み込んでいるため、ユーラシアプレートが上に反った状況になっていたと考えられます(8月19日記事参照)。その状況で反ったところに圧力がかかります。それが図1です。
 さらに、力が加わり続けると、その圧力に負けて、地殻で崩壊が起こります。それが図2です。

 実は阪神大震災は、震源の深さが16キロメートル、新潟中越は13キロメートルと、非常に浅く、また、余震に関しても、今回の熊本地震のようには長続きしていません。要するに「押し合って、崩壊するところが出たが、その後、崩壊した部分が圧力によってしっかりかみ合った状態になったため、余震が早めに終息した」という地震なんです。要するに「押す×上」(8月19日記事参照)の力のかかった地震だったんですね。

 実は、中国で起こった四川省の地震もこれと同じ構造です。これについては、後で触れますが、要するに、今までは「プレートが上向きに反って起こった地震」なのに対し、熊本は「下に反った地震」なんです。ですから、構造上、全く違ったものだ、という捉え方が必要なんですね。

 そして、この構造の違いは、フィリピン海プレートの状況が生んだものなんです。今までは「ユーラシアプレートを支える動き」をしていたのですが、熱浸食により、今度は「ユーラシアプレートを下に引っ張る動き」に変化しているんです。それも急速にその立場を変えたんです。そして、その原因についても、後述するつもりでいますが、今の段階で言えることは、この状況で南海トラフ地震が起きると、日本も津波などで打撃を受けますが、もっと深刻なのはフィリピンではないか、ということです。
 というのは、この状況では、おそらく、フィリピン自体が、プレートの沈み込みとともに水没するような現象が起きるだろうということ。それも、これだけ熊本に影響を与えているとなると、南海トラフ側~フィリピンから見て、北から北西方向の島の海岸線が、数メートルくらいの沈み込みはあるのではないか、と想定しています。
 そして、この状況で、数メートル程度と思ってはいけません。東日本大震災では、津波が2メートル程度でも、街が冠水するなど、大きな被害が出ているんです。そこが一時的ではなく、海になってしまうんです。ましてや、この沈み込んだところに、南海トラフで発生した津波が来るんです。甚大な被害が出るという事が予想されます。

 おそらくは、海底に沈んでいる遺跡なども、元は陸にあったものでしょう。それが、海に沈んで行ったんです。きっと、その当時、そこで暮らしていた人は、今まで住んでいた土地が、海に沈んだところを目の当たりにしたのではないでしょうか。今まで住んでいた建物が、海面からちょっと顔を出しているだけ。そんな光景を見たのではないかと思います。そして、そういう現象が現代に起きる、ということです。現在だと、海面から突き出ているビルを見てため息をつく、そんなことが起こるのではないか、と考えています。
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