今まで何度か書いてきましたが、これがマントルトモグラフィーの図です。
自分が思っているのは、たぶん、これがプルームテクトニクス理論の原典になっているのではないか、ということなんですが、これについて、自分なりの見解をお話ししていこうと思っています。
今回は、その一つ目で「温度」について。
トモグラフィーというのは、もともと地震波の測定などに使われるものなのですが、この図は、この地震波のスピードを計測することで、地球内部の状態を知ろうという図なんだ、と思ってください。もともと地震波は固体であれば、速度が速く、液体で遅くなるという性質があるので、速度の速いところ、遅いところをそれぞれ色分けしてあるんですね。そして、それぞれの深度で、どのような状態なのかを見ることができるんです。
ここで、一番最初に見るのは、完全に真っ青の部分。ここは固体ですから、地表からずっと続いて青く存在しているのは、そのまま「地殻」と判断できると思います。
そうすると、南北アメリカプレートって、結構、下まで地殻が存在することが分かるでしょうか。たぶん1600キロメートルくらいまで地殻の先が存在するようですね。それから、今まで書いてきましたが、中国の山東省近辺って、えぐれたような感じで結構深くまで地殻が存在しているのが分かるでしょうか。600キロメートルくらいまであるんですよ。そして、インドプレート(文字通りインドのあたり)は、地表として見えている部分が小さい場合、地殻が小さくて浮力を持つためには、そこそこ深いところまで地殻が存在しなければならない、ということもわかると思います。
ところが、フィリピン海プレートって、小さい割に地殻が浅いんです。ですから、もともとの浮力はあまりないはずなんですよ。
この点が後から大事になってきます。
そして、ここで大事なことがもう一つ。
これ、図では温度に対応していることになっています。ところが、これ地震波の速度が速いか遅いかの図ですよね。で、もしも、単体の物質であれば、固体・液体・気体で温度が違うという設定はわかりますが、密度の違う物質が混ざり合っている状態で、果たして適正な温度を表現できるか、ということ。つまり、温度には対応していないんです。ここが間違いの元だと思っているんです。
常識的に考えても、常温で20度の水と80度まで温めた鉄を比較すると、地震波は固体の鉄の方が速くなりますよね。でも温度は鉄の方が高いんです。ところがこの図だと、鉄は温度が低いと表示されることになるんです。あり得ません。もちろん、マントル底部は、密度が高く、圧力も高い部分になるはずですから、そうすると、地震波は温度にかかわらず速くなるはずです。実際にこの図では1200キロあたりから温度が全体的に低くなってしまっていますよね。
でも、実際は、中心で熱が発生しているので、中心から地殻に向かって温度が下がってきているとみる方が当たり前ですし、地殻の凸凹が影響しない、マントルの底部では回転によるマントルの流れがある程度一定に流れていて、物質が均一化しているのが分かると思います。
ですから、プルームテクトニクスの失敗は、この地震波の図を温度の図とすり替えてしまったことに原因があります。もしも、これを温度に置き換えるなら、物質の違いや圧力の違いを考慮に入れ、その部分の修正をかけなければならないのですが、そういう表記は見当たらないんです。ましてや物質の分布なんていうのも、まだ全然わからない状態ですから、こういうバイアスをかけるのは無理でしょう。
ですから、これは単純に「地震波の速度を表す図」という見方でしかありません。今後、自分がマントルトモグラフィーのお話をするときには、単に「地震波速度の図」という観点でしか利用しませんので、ご了承ください。
自分が思っているのは、たぶん、これがプルームテクトニクス理論の原典になっているのではないか、ということなんですが、これについて、自分なりの見解をお話ししていこうと思っています。
今回は、その一つ目で「温度」について。
トモグラフィーというのは、もともと地震波の測定などに使われるものなのですが、この図は、この地震波のスピードを計測することで、地球内部の状態を知ろうという図なんだ、と思ってください。もともと地震波は固体であれば、速度が速く、液体で遅くなるという性質があるので、速度の速いところ、遅いところをそれぞれ色分けしてあるんですね。そして、それぞれの深度で、どのような状態なのかを見ることができるんです。
ここで、一番最初に見るのは、完全に真っ青の部分。ここは固体ですから、地表からずっと続いて青く存在しているのは、そのまま「地殻」と判断できると思います。
そうすると、南北アメリカプレートって、結構、下まで地殻が存在することが分かるでしょうか。たぶん1600キロメートルくらいまで地殻の先が存在するようですね。それから、今まで書いてきましたが、中国の山東省近辺って、えぐれたような感じで結構深くまで地殻が存在しているのが分かるでしょうか。600キロメートルくらいまであるんですよ。そして、インドプレート(文字通りインドのあたり)は、地表として見えている部分が小さい場合、地殻が小さくて浮力を持つためには、そこそこ深いところまで地殻が存在しなければならない、ということもわかると思います。
ところが、フィリピン海プレートって、小さい割に地殻が浅いんです。ですから、もともとの浮力はあまりないはずなんですよ。
この点が後から大事になってきます。
そして、ここで大事なことがもう一つ。
これ、図では温度に対応していることになっています。ところが、これ地震波の速度が速いか遅いかの図ですよね。で、もしも、単体の物質であれば、固体・液体・気体で温度が違うという設定はわかりますが、密度の違う物質が混ざり合っている状態で、果たして適正な温度を表現できるか、ということ。つまり、温度には対応していないんです。ここが間違いの元だと思っているんです。
常識的に考えても、常温で20度の水と80度まで温めた鉄を比較すると、地震波は固体の鉄の方が速くなりますよね。でも温度は鉄の方が高いんです。ところがこの図だと、鉄は温度が低いと表示されることになるんです。あり得ません。もちろん、マントル底部は、密度が高く、圧力も高い部分になるはずですから、そうすると、地震波は温度にかかわらず速くなるはずです。実際にこの図では1200キロあたりから温度が全体的に低くなってしまっていますよね。
でも、実際は、中心で熱が発生しているので、中心から地殻に向かって温度が下がってきているとみる方が当たり前ですし、地殻の凸凹が影響しない、マントルの底部では回転によるマントルの流れがある程度一定に流れていて、物質が均一化しているのが分かると思います。
ですから、プルームテクトニクスの失敗は、この地震波の図を温度の図とすり替えてしまったことに原因があります。もしも、これを温度に置き換えるなら、物質の違いや圧力の違いを考慮に入れ、その部分の修正をかけなければならないのですが、そういう表記は見当たらないんです。ましてや物質の分布なんていうのも、まだ全然わからない状態ですから、こういうバイアスをかけるのは無理でしょう。
ですから、これは単純に「地震波の速度を表す図」という見方でしかありません。今後、自分がマントルトモグラフィーのお話をするときには、単に「地震波速度の図」という観点でしか利用しませんので、ご了承ください。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます