地震の構造と+α いろいろ考えてみよう!

自分が、日ごろ思ったことを記録しておくブログです。今は「地球の構造と地震の関係」という内容です。

阪神大震災・新潟中越地震とフィリピン海プレート

2016-09-10 04:28:58 | 日記
 東日本大震災を境にして、地震の傾向が変わったということを以前書きましたが、どこがどう違うかということを理解するために、今回は、東日本大震災の前に起こった、大きな2つの地震のメカニズムについて確認しようと思います。まずは図から。

 図を見てもらえば分かると思いますが、構造的には東日本大震災のときと同様の構造になっています。
 まず、ユーラシアプレートは、恒常的に沈み込みを起こしています(9月4日・5日記事参照)。そして、このときはまだフィリピン海プレートは沈み込みが小さい段階で、ユーラシアプレートを支える方の立場でした。となると、ユーラシアプレートがフィリピン海プレートを押しながら沈み込んでいるため、ユーラシアプレートが上に反った状況になっていたと考えられます(8月19日記事参照)。その状況で反ったところに圧力がかかります。それが図1です。
 さらに、力が加わり続けると、その圧力に負けて、地殻で崩壊が起こります。それが図2です。

 実は阪神大震災は、震源の深さが16キロメートル、新潟中越は13キロメートルと、非常に浅く、また、余震に関しても、今回の熊本地震のようには長続きしていません。要するに「押し合って、崩壊するところが出たが、その後、崩壊した部分が圧力によってしっかりかみ合った状態になったため、余震が早めに終息した」という地震なんです。要するに「押す×上」(8月19日記事参照)の力のかかった地震だったんですね。

 実は、中国で起こった四川省の地震もこれと同じ構造です。これについては、後で触れますが、要するに、今までは「プレートが上向きに反って起こった地震」なのに対し、熊本は「下に反った地震」なんです。ですから、構造上、全く違ったものだ、という捉え方が必要なんですね。

 そして、この構造の違いは、フィリピン海プレートの状況が生んだものなんです。今までは「ユーラシアプレートを支える動き」をしていたのですが、熱浸食により、今度は「ユーラシアプレートを下に引っ張る動き」に変化しているんです。それも急速にその立場を変えたんです。そして、その原因についても、後述するつもりでいますが、今の段階で言えることは、この状況で南海トラフ地震が起きると、日本も津波などで打撃を受けますが、もっと深刻なのはフィリピンではないか、ということです。
 というのは、この状況では、おそらく、フィリピン自体が、プレートの沈み込みとともに水没するような現象が起きるだろうということ。それも、これだけ熊本に影響を与えているとなると、南海トラフ側~フィリピンから見て、北から北西方向の島の海岸線が、数メートルくらいの沈み込みはあるのではないか、と想定しています。
 そして、この状況で、数メートル程度と思ってはいけません。東日本大震災では、津波が2メートル程度でも、街が冠水するなど、大きな被害が出ているんです。そこが一時的ではなく、海になってしまうんです。ましてや、この沈み込んだところに、南海トラフで発生した津波が来るんです。甚大な被害が出るという事が予想されます。

 おそらくは、海底に沈んでいる遺跡なども、元は陸にあったものでしょう。それが、海に沈んで行ったんです。きっと、その当時、そこで暮らしていた人は、今まで住んでいた土地が、海に沈んだところを目の当たりにしたのではないでしょうか。今まで住んでいた建物が、海面からちょっと顔を出しているだけ。そんな光景を見たのではないかと思います。そして、そういう現象が現代に起きる、ということです。現在だと、海面から突き出ているビルを見てため息をつく、そんなことが起こるのではないか、と考えています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする