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青年および若年成人(AYA)のALL治療/小児癌特集号

2008-03-26 | 小児癌
 今週のNCI(米国国立癌研究所)ニュースレターは小児癌特別号

過去30年間の若年小児の治療の進歩に対し、青年および若年成人(AYA)の癌患者(15-39歳で癌と診断された患者)においては、数十年間、これらの患者の癌生存率はほとんど、またはまったく改善されていない。(略)
無保険のAYA患者が多数いること、および癌に罹患した子供および若年成人が、小児科と成人腫瘍科の「中間的な」カテゴリーに入る傾向があることなど、問題の一因となる要素についてPRGが記述している。(略)

「最近の発表では、ALLの小児の臨床試験で治療を受けた青年および若年成人のほうが、成人用プロトコルで治療を受けた同様の患者より転帰が良かったと報告されている」とSmith氏は述べた。

Dr.Smith氏の引用した臨床試験の1つがダナファーバー癌研究所(DFCI)で実施されているが、DFCI共同団体は昨年、米国血液学会の年次総会で予備所見を発表した。現在、小児ALL患者の化学療法レジメンはイベントフリー生存率(EFS)が80%以上であるのに対し、成人ALL患者では30-40%である。DFCI共同体の研究者らは、集中的な小児用レジメンで投与された18-50歳のALL患者の2年間のEFSは72.5%と推定されると報告した。試験は、より長い追跡期間を要するが、予備結果では、ALLの若年成人では、この集中的な治療方法が、治療の大きな前進となるかもしれないと示唆している。

ALLの若年成人の転帰を改善するためのもう一つの試験CALGB-10403は、NCI支援の成人の臨床試験協力団体とともに進行中である。(略)
「私たちが見出した結果には格段の差があり、小児科のレジメンで治療を受けたAYA患者のほうが有意に無進行生存期間および全生存期間を改善しました。それは30%近くのポイント差がありました」と、シカゴ大学医学部助教のDr. Wendy Stock氏は述べた。(略)

Blood誌で発表されることになっているが、両群の決定的な相違が明らかになった。つまり、小児癌専門医と成人癌専門医とでは使用する薬剤の用量強度および投与スケジュールに重大な違いがあるということである。また、プロトコル遵守についても疑問が生じた。NCIキャンサーブレティン日本語版3月18日号記事


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