ついにその日がやってきた。
昨晩七時から既に戦いは始まっていた。空腹との戦いである。
看護士から渡された紙にはこう書かれてあった。
・前の晩七時以降は何も食べないでください。
・当日起床以降は水も飲んではいけません。・タバコもダメ、薬もダメ、何でもダメなものはダメ!
・当日は朝9時30分に始めます。覚悟して来てください。(んな事は書いてなかったが)
昨晩18:30
消化の良い夕食との指示で「鮪とアボガドの和辛子混ぜ海苔かけご飯」と「ジャガイモとワカメの味噌汁」を作った。「酒の肴」という居酒屋名店のレシピ付料理本が教科書だ。(この本、男の手料理本としては最高!)
で、ビールは?もちろん、夕方5時からの水戸黄門を見ながら家内との晩酌は欠かせない。だが、翌日に備えて500ml缶一本に抑える…と思ったが結局は追加の500mlもう一本ね。
昨晩23:00
もう寝よう。早々と床に入りる。
(これは…良くないですなぁ…出来るだけ早く専門医のところへ…なんて言われたらどうしよう。手術となると最低一カ月は入院だし…その間、家内は…。ジロー(猫)もペットホテルなんて入れたら気が狂っちゃうだろうし…)
あれこれと不安が湧いてきて眠れない…と思う間もなく薬が効いてきてグッスリ。
今日の朝6:00
いつも通りの時間に目が覚める。そう…今日は「その日」だ。いよいよ運命の日だ。少し早いが準備を始めよう。まずは家内の朝食を。もちろん僕は食べられない。水も飲めない。ウィスキーもビールもダメ(当たり前だ)
今日の朝8:00
家内、心配そうに声をかけてくる。
「ダイジョウブ?…シンパイ…ダイジョウブ?」
なに、大丈夫だよ、心配することないよ、9時に出かけるからね、10時過ぎには帰ってくるよ。その間、ベッドで休んでいてね、お昼はチーズサンドとコーヒーでいい?」
今日の朝9:00
じゃ、行ってくるよ
「ダイジョウブ?シンパイ…イッテラッシャイ」
そしていよいよ「今日のその時」が来た。
「○○さ~ん…お待たせしました~」
看護士さんが自分の名前を呼んでいる。お待ちしてませ~ん。いつも待ち時間は長いのに、今日に限って時間どおりに呼ばれるとは…不吉だ。
「えっと、血がサラサラになるお薬飲んでませんよね、高血圧・糖尿病もありませんよね…あっ、前立腺肥大が…」
そんな大きな声で言わなくても…
「お注射しますからね、筋肉注射…右肩をだしてください、あら、なにか鍛えてます?」
あっ、いえ、ほんの筋トレで…
チクッ
「こんどは、このお薬を喉の中で5分間…飲んじゃ駄目ですよ」
(なんか舌が痺れて…飲み込まずに液体を喉の奥に留めるって結構難しいものだ)
「じゃ、先生が来ますからね~」
「いや、どうもどうも、お待たせして…」(お待ちしてませ~ん)
「ハイ、口を大きく開けて…あ~~ん」(ア~~ン)
シュッシュ…(喉の奥に刺激性の液体が…)
コホッ、コホッ
「大丈夫ですからね~、気を楽にしてください、すぐ終わりますからね、唾が出たら飲み込まないでダラダラだしておいてくださいね」
ダラダラと垂らすんですか?
「そっ、ダラダラとね、ハイ、じゃ、口を大きく開けて…」
あ~~ん
「はい、これを強く噛んでください!」
(いきなりプラスチックの太い管みたいなものが口を蹂躙して…)
アグ…
「入りま~す!」
入るって?何が? お、オエ~~~~オエ、オエ~~
「は~い、どんどん入ってますよ~」
オエ~~~~~~
「大丈夫ですよ~ちょっとの間ですからね~もう入ってますよ~(看護士さん、背中を擦ってくれる)
目の前のモニターは我が胃袋を…ピンク色して…襞が…どんどん管が入っていく…ピンクのトンネルだ、感動的でさえある。
「ふぅむ…十二指腸…炎症おこしとるねぇ…見えるでしょ、ほら、赤いテンテンが…」
ゲホ…アウ…オエ…
「まだ潰瘍にはなってないから…でも放っておくと潰瘍になるタイプだよ、でも心配ナシね、薬で治るから」
ゲホ…アウ…オエ…
「胃癌の…心配は...」
アウ…オエ…
「無いね…大丈夫よ。胃癌、無いからね」
!!!!!!
「あっ、ちょっと待って!」
アウ…アウ…オエ~~~~~~~~~~~~
「このちっちゃいの…ポリープだね…」
オエ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ま、これは…放っておいていいでしょ、じゃ、おわりね、抜きますからね~」
!!!!!!!!!!
ズル、ズルズルーーーー
(管を抜く時は…快感!)
胃カメラ終わって先生の診断
「ま、ストレス性の十二指腸炎ってとこね、お薬出しておきますからね」
は~い(妙に明るい返事)
「でも、悪玉コレステロール下がってないね、170か…卵取り過ぎないようにね」
は~い!
「ウィスキーはストレート駄目よ、炭酸かなんかで割ってね、運動してね、判りましたね、」
は~い!
「じゃ、帰ってよろしい」
帰りの車で聴くのはBBキング、るんるん気分で帰途についた。
還暦過ぎたら年一回は胃カメラしようね、出来れば大腸カメラもね、早期なら助かるからね。判りましたね。
昨晩七時から既に戦いは始まっていた。空腹との戦いである。
看護士から渡された紙にはこう書かれてあった。
・前の晩七時以降は何も食べないでください。
・当日起床以降は水も飲んではいけません。・タバコもダメ、薬もダメ、何でもダメなものはダメ!
・当日は朝9時30分に始めます。覚悟して来てください。(んな事は書いてなかったが)
昨晩18:30
消化の良い夕食との指示で「鮪とアボガドの和辛子混ぜ海苔かけご飯」と「ジャガイモとワカメの味噌汁」を作った。「酒の肴」という居酒屋名店のレシピ付料理本が教科書だ。(この本、男の手料理本としては最高!)
で、ビールは?もちろん、夕方5時からの水戸黄門を見ながら家内との晩酌は欠かせない。だが、翌日に備えて500ml缶一本に抑える…と思ったが結局は追加の500mlもう一本ね。
昨晩23:00
もう寝よう。早々と床に入りる。
(これは…良くないですなぁ…出来るだけ早く専門医のところへ…なんて言われたらどうしよう。手術となると最低一カ月は入院だし…その間、家内は…。ジロー(猫)もペットホテルなんて入れたら気が狂っちゃうだろうし…)
あれこれと不安が湧いてきて眠れない…と思う間もなく薬が効いてきてグッスリ。
今日の朝6:00
いつも通りの時間に目が覚める。そう…今日は「その日」だ。いよいよ運命の日だ。少し早いが準備を始めよう。まずは家内の朝食を。もちろん僕は食べられない。水も飲めない。ウィスキーもビールもダメ(当たり前だ)
今日の朝8:00
家内、心配そうに声をかけてくる。
「ダイジョウブ?…シンパイ…ダイジョウブ?」
なに、大丈夫だよ、心配することないよ、9時に出かけるからね、10時過ぎには帰ってくるよ。その間、ベッドで休んでいてね、お昼はチーズサンドとコーヒーでいい?」
今日の朝9:00
じゃ、行ってくるよ
「ダイジョウブ?シンパイ…イッテラッシャイ」
そしていよいよ「今日のその時」が来た。
「○○さ~ん…お待たせしました~」
看護士さんが自分の名前を呼んでいる。お待ちしてませ~ん。いつも待ち時間は長いのに、今日に限って時間どおりに呼ばれるとは…不吉だ。
「えっと、血がサラサラになるお薬飲んでませんよね、高血圧・糖尿病もありませんよね…あっ、前立腺肥大が…」
そんな大きな声で言わなくても…
「お注射しますからね、筋肉注射…右肩をだしてください、あら、なにか鍛えてます?」
あっ、いえ、ほんの筋トレで…
チクッ
「こんどは、このお薬を喉の中で5分間…飲んじゃ駄目ですよ」
(なんか舌が痺れて…飲み込まずに液体を喉の奥に留めるって結構難しいものだ)
「じゃ、先生が来ますからね~」
「いや、どうもどうも、お待たせして…」(お待ちしてませ~ん)
「ハイ、口を大きく開けて…あ~~ん」(ア~~ン)
シュッシュ…(喉の奥に刺激性の液体が…)
コホッ、コホッ
「大丈夫ですからね~、気を楽にしてください、すぐ終わりますからね、唾が出たら飲み込まないでダラダラだしておいてくださいね」
ダラダラと垂らすんですか?
「そっ、ダラダラとね、ハイ、じゃ、口を大きく開けて…」
あ~~ん
「はい、これを強く噛んでください!」
(いきなりプラスチックの太い管みたいなものが口を蹂躙して…)
アグ…
「入りま~す!」
入るって?何が? お、オエ~~~~オエ、オエ~~
「は~い、どんどん入ってますよ~」
オエ~~~~~~
「大丈夫ですよ~ちょっとの間ですからね~もう入ってますよ~(看護士さん、背中を擦ってくれる)
目の前のモニターは我が胃袋を…ピンク色して…襞が…どんどん管が入っていく…ピンクのトンネルだ、感動的でさえある。
「ふぅむ…十二指腸…炎症おこしとるねぇ…見えるでしょ、ほら、赤いテンテンが…」
ゲホ…アウ…オエ…
「まだ潰瘍にはなってないから…でも放っておくと潰瘍になるタイプだよ、でも心配ナシね、薬で治るから」
ゲホ…アウ…オエ…
「胃癌の…心配は...」
アウ…オエ…
「無いね…大丈夫よ。胃癌、無いからね」
!!!!!!
「あっ、ちょっと待って!」
アウ…アウ…オエ~~~~~~~~~~~~
「このちっちゃいの…ポリープだね…」
オエ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ま、これは…放っておいていいでしょ、じゃ、おわりね、抜きますからね~」
!!!!!!!!!!
ズル、ズルズルーーーー
(管を抜く時は…快感!)
胃カメラ終わって先生の診断
「ま、ストレス性の十二指腸炎ってとこね、お薬出しておきますからね」
は~い(妙に明るい返事)
「でも、悪玉コレステロール下がってないね、170か…卵取り過ぎないようにね」
は~い!
「ウィスキーはストレート駄目よ、炭酸かなんかで割ってね、運動してね、判りましたね、」
は~い!
「じゃ、帰ってよろしい」
帰りの車で聴くのはBBキング、るんるん気分で帰途についた。
還暦過ぎたら年一回は胃カメラしようね、出来れば大腸カメラもね、早期なら助かるからね。判りましたね。