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ワサビ

 アブラナ科ワサビ属の「ワサビ(山葵)」。大きな葉の上で白い小さな十字花を咲かせていた。ワサビは日本原産で学名は  “Wasabia Japonica” となっている。
 先月、岐阜大の山根助教らが日本育種学会において 『葉緑体全ゲノム比較によるワサビの進化系譜の構築』 を発表した。ワサビは日本で栽培され日本固有の植物とされているが、今まで遺伝学的な研究は行われてこなかったため、ワサビの起源や伝播については不明のままだった。山根助教らは、葉緑体のDNA配列を解析した結果、ワサビの祖先は中国雲南省の高地などに自生する近縁種 “シャンユサイ” と約400万年前に分かれ、独特の辛味を獲得した可能性が高いことがわかったとしている。シャンユサイはワサビそっくりだが、ワサビのように辛くなく中国では葉や茎を食用にしている。ユリワサビがシャンユサイに最も近縁で、ワサビとは異なるルートで約100万年前に分岐したとされた。以前、ユリワサビの葉っぱを少し齧ったことがあったが、ワサビほど辛くなかったと記憶している。ワサビやユリワサビの祖先は中国大陸と日本列島が陸続きだった時代に自然に分布を広げ、ワサビは日本人に好かれる辛味を作っていった。いや、日本人が出現するはるか以前にワサビが辛味を作っていたので、日本人はワサビ好きなのだ。
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アケビ

 雌雄の異なった花をひとつの株に付ける「アケビ(木通・通草)」。アケビ科アケビ属のつる性落葉木本で、葉の間から花序が垂れ下がる。先端に直径1.5センチほどの雄花が数個付き、基部側に直径3センチほどの雌花が1~2個付く。花被片は3枚で雄花には6本の雄蕊が房状に付き、雌花にはバナナの果実のような棒状の雌蕊が7~8本付く。葉は5枚の小葉が掌状になる。アケビの蔓を乾燥させたものが生薬の “木通(もくつう)” で、 果実を乾燥させたものを “木通子(もくつうし)” と呼ぶ。腎臓炎、尿道炎、膀胱炎などの改善、むくみの解消などの薬効がある。アケビの名前は果実が熟すと裂けるので “開け実(あけみ)” が転訛したという説があるが、そのほかにもいろいろ説があるようだ。
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