ただでさえ少ない個人の財産で、土地を持っているというのは固定資産税が大きく売買にも相続にも大きな経費がかかって、うまく活用してトントンにするだけでも大変な苦労だと、ある元株屋さんの友人が言っていた。確かにそれは正しいが、親から譲り受けた土地を、たとえ増えたとしても形が変わってなくすことになるというのは大きな抵抗がある。日本の世の中の大半の人は代々続く土地を大事にする。よくあるのはマンション・アパートを建てて建築から経営までまかせてしまうかわりに、土地の名義だけは自分のものとして残すやり方。それなりに家賃収入があって初期借入金の負担などが軽ければいいだろう。しかし、固定資産税もかかるし相続時には大きな費用を考えておくことに変わりはない。世のしがらみというだけでなく、代々の土地を大切にする心は計算以上に尊いもので守るべき掟だとも思う。そうはいっても売買に要する労力と費用が重くのしかかり売るということを考えないだけだ。道路ができて立ち退きになるなんてことがあればともかく、株屋さんの言うとおりにはできるものではない。