主治医のH先生が異動になることは聞いていた。昨日は脳外科の診察があって、先生から直接1月で変わって行くとお聞きした。何と台湾に近い南の島へ行ってしまうという。Dr.コトーみたいに島にひとりだけのお医者さんというのではなく、人口5~6万の知多半島の半分ほどの島の県立病院で、脳外科の医者がいなくなるという話を聞いて思い立ったということだった。そう簡単に行き来できるところでもないのに、単身赴任でわざわざ行ってしまうなんて、でもそれでこそ空の主治医であると自慢したい。
「はじめの1年は、ほんとうによくがんばった。」「初めて来た時はガリガリにやせていて、食べることができず、治療に耐えられるか心配だった。」「見る見るうちに腫瘍が消えていった。」「手術はできない腫瘍だった。」「大変だった人ほどやっぱりよく覚えている。空くんは絶対忘れないから遊びに来てね。」「大学へ入って保育士さんの勉強をがんばってね。」短い時間にはじめのころから思い出して、たくさん話をして、「ツーショットの写真を撮っておこう。」と、携帯に数枚残した。最後に「ありがとうございました」と、3回ぐらい自然に言っていた。