ぶうちん村、風わたる。

風の吹くまま、気の向くままなんて、なかなかできませんが、楽しみを見つけながら過ごしたいものです。

物事はどの立場に立つかによって、表現が変わるし・・・

2024年07月04日 21時52分52秒 | Weblog
 物事はどの立場から見るかによって、表現が変わるし、その表現が人々の意識を規定します。
 
 よく「ロシアによるウクライナ侵攻(侵略)」と言われます。これは2022年2月24日にロシア軍が起こした行動でそれを指す言葉としては「正解」ですが、なぜロシア軍がそうした行動を起こしたのか原因を考えると一面的な表現でしかありません。もともとはNATOの東方拡大やウクライナの政権が米国サイドに乗っとられたことにより、「緩衝地帯」だったウクライナが「緩衝地帯」でなくなってしまいました。つまり、ロシアは欧米各国と直接対峙することになり、ロシアは自らの安全保障環境が侵されたと認識したことにより「反撃」を始めました。さらに、共産主義を捨て自由主義経済に移行したにもかかわらず、ロシアは西側社会の一員として受け入れられることはありませんでした。「仲間」に入れてもらえなければ、自らの安全は自らで維持するしかありません。ですから、「ロシアによるウクライナ侵攻」という言葉はロシアを悪者にすることはあれ、ロシアの置かれた立場を考慮すれば間違いです。 

 2023年10月7日の「ハマスによる奇襲攻撃」も同様です。この表現だとイスラエル=被害者、ハマス=加害者にしかなりりません。もちろん、10/7のハマスの行動だけをみればそういう行動を指す言葉としては「正解」です。なぜハマスはイスラエルに奇襲攻撃を実施したのか・・・そもそも「パレスチナ自治区」とは言いつつも、治安組織はイスラエルだったりしてパレスチナ人が自らの手で地域を維持しているわけではありませんでした。そこへネタニヤフ政権がパレスチナへの「入植」行動を強行に推進したことに対する反発が広がりました。多くのパレスチナ人は、突然やってきたイスラエル警察や軍にマンションや工場を建てるから立ち退けと銃を突きつけられるわけです。この反発が10/7につながります。つまり、イスラエル建国以来76年間続いてきた報復の連鎖のヒトコマなのです。そして、地域の安定を図るための努力はどの国もしませんでした。なぜならイスラエルのバックには米英がいるからです。そうした経過を踏まえれば「ハマスによる奇襲攻撃」という表現は一面的だということが分かると思います。

 私たちし西側社会の一員としており、西側メディアの報道を見ています。
 ですが、経過からして、これまで使われている表現では良くないのです。
 なぜなら、その言葉を使うことによって、私たちの意識が規定されるからです。
 ロシアとハマスを「悪者」にしない表現はないものでしょうか。

 
 
コメント
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