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猫のクッシング症候群

2009-08-11 02:14:30 | Weblog
 先日、糖尿病の症状を示した猫が来院しました。皮膚の厚みが薄くなっていてペラペラで、一部は裂けていました・・・。難病である「皮膚脆弱症候群」が十分に疑われました。猫に多い糖尿病がその原因である可能性が高いだろうとも思いましたが、そこは経験のある身、単純な糖尿病ではなさそうだ・・・とも感じていました。
 検査にかなりの費用がかかるため、初めはインスリン注射で経過をみましたが、さらに皮膚の裂開が拡大、原因究明の検査を行いました。皮膚の病理検査結果はまだですが、血液でのホルモン検査から「猫の」クッシング症候群という比較的珍しいホルモン失調であると確定できました。通常、検査結果での判定が難しいケースが多い病気ですが、重症であるためかはっきりと診断できる結果が得られました。
 教科書的には、皮膚症状が重い猫は経過が良くない、とされています。さて今後はどうしたものか・・・、手立てはあるのか、何ができるのか、私たちは考えなくてはなりません。単純に血糖値をコントロールするだけではダメなようです。傷が治りにくいわけで、どうにか傷の拡大を阻止しなくてはなりません。決まった治療方法がない病態なので、頭の痛いところです。ホントに見た目もかわいそうなんですよ・・・。困りました。

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4 コメント

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猫のクッシング症候群 (POCKET)
2010-09-07 19:05:45
我が家の猫♂16歳も同じ症状です。
一時期ダメかと思う時もありましたが切り抜けました。
方法は・・・獣医さんもお手上げに近い状態だったので
後は『民間療法』で・・・と思い(飼い主の自己責任で)
自らが使用して救われた『ラクトフェリン』と『源液』を飲ませました。
勿論、量は人間の赤ちゃんに飲ませるくらいの量です。
『粘膜や皮膚』の疾患なので全く関係ないような気がして・・・
『ラクトフェリン』を飲むようになってから私自身、何年も再発していません。

半年かかった傷口もやっと綺麗に治り二ヶ月ほど前に
『ラクトフェリン』を止めてしまったら再発しました。
横4センチ、縦3センチ、今回は一か所です。
再発の前兆は酷い食欲です。年中お腹を空かせます。
きっとその頃、身体の中で異常な数値を出していたんだと思います。
前回の時は、皮膚が裂けてから原因が解らず
クッシングの検査からいろいろやりましたがこれと言って問題が出ず
獣医さんも「ん~~?」っと悩んでいました。
風邪の後の口角炎の様なもので、症状が出た時は
病気がおさまった後なのかもしれません。
素人なので専門的な事は解りませんが、とりあえずずっと抱えて行く
病気なんだなぁ~っと痛感しました。
でも、今回はすこぶる元気で、勿論食欲ありです。
でも、食べすぎないよう管理!管理!です。
ちなみに、『ラクトフェリン』はずっと飲ませてみようと思います。
それでももし再発したら、その時はまた考えてみようと思います。
『儲けた命』を私の出来る限りで大切にしたいと思っています。
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POCKETさん (あさい)
2010-09-07 22:18:37
ご投稿をありがとうございました。猫のクッシング症候群は、現場の私たちもそんなに多く経験する疾患ではありません。確認検査もすっきりしない数値で返ってくるケースが多いです。病院でストレスがかかった状態では、検査結果が安定しないのです。

病態に関しては落ち着いていればなによりです。ラクトフェリンは猫の口内炎に使用することがあります。粘膜局所だけでなく、全身の免疫力向上にも有用な可能性があります。使用して害になることはないと考えられます。

クッシング症候群が、下垂体性か副腎腫瘍か、これらの鑑別は重要です。現場ではエコーが現実的で、費用が耐えられるならMRIは有用です。どこまでするか、してあげられるかは飼い主さんの事情でよいと思います。手を尽くして、思いを尽くしてあげれば、完全完治ではないにしても十分なケア・医療であると私は考えますね。
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ありがとうございます。 (POCKET)
2010-09-08 00:40:16
早速、ありがとうございます。
とっても励まされ勉強になりました。

発病後、退院して、やっと食事が採れるようになった頃です、隔離から解放してあげたら弟分たちに寄り添って、安心したのかすやすやと気持ち良さそうに居眠りしていました。その姿を見てこの子のニャン生をこれからどうしてあげたらよいのか本当に考えました。

もし、ウリが若く体力がある年齢でしたら(性格も含めて)また考えも違ったかもしれません・・・とはいえ、事態によっては考えてみるかもしれません。

私自身も少しでも後悔のない選択を・・・何が後悔か後悔でないか本当に難しいところですね。今も傷の手当てをしながら行きつけの獣医さんに通院しています。これからいろいろな場面がやってくるかもしれませんが、獣医さんにご相談しながらウリのニャン生の支えになれたら・・・と思っています。ありがとうございました。

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POCKETさんへ (あさい)
2010-09-08 01:45:15
新ホームページになってからは、最初のご投稿でありました。うれしく思っています。

gooや検索エンジンからつながったのかもしれませんね。これも一種のご縁と感じております。時代の変化を痛感します。

かかりつけの獣医師とよく相談なさって、よいニャン生が送れますようお祈りしています。
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