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椎間板ヘルニアの転院例

2012-07-05 00:31:46 | Weblog
先日初診で、腰が抜けて歩けないダックスフントがいらっしゃいました。
かなり遠方からのご来院でした。

5日くらい前に急に腰がぬけて、立てない・歩けない・おしっこできない、
そんな状態での来院でした。
幸いにも「深部痛覚」は残っていました。

十二分にⅠ型の椎間板ヘルニアが疑われるケースでした。
でも前の動物病院では、とても中途半端な治療がされていました。
椎間板ヘルニアの可能性すら、指摘されていないようなお話でした。

経過も数日たっていたので、手術を行う前提で急ぎCT検査の手配をしました。
胸椎13番ー腰椎1番の左側に、突出した椎間板物質が確認されました。
CT撮影後の手術は無事に成功できたと思います。
一ヶ月程度のリハビリで、歩行できるようになるはずだと期待しています。

椎間板ヘルニアに対する対応は、きちんとされなくてはなりません。
保存でいい場合と、手術しかない場合があるのです。
特に深部痛覚が消失したら、早々に手術に踏み切らなくてはなりません。

急に来るのが、Ⅰ型椎間板ヘルニアの特徴です。
ゆっくりと進行・悪化するⅡ型の椎間板ヘルニアもけっこう最近は多いです。
適切な対応をタイミングよく行っていく難しさ・・・、
故に臨床家を慌てさせる病気が椎間板ヘルニアなのですね。

人では脊柱と脊髄の隙間がけっこうあるらしく、しびれなどがあっても麻痺にいたるケースは稀と聞いています。
ところが犬では、隙間がかなり狭くギリギリで、すぐに脊髄損傷と同じ状態になるようです。
脊髄損傷と同じような病態がすぐに発生するようなのです。

とにかく手術が早々に終了できることが予後を決めます。
今回は適切に手術に持ち込むことができてよかったです。

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