日々の出来事

当院の出来事を紹介します

原因不明の難病もあります・・・

2009-06-11 18:59:26 | Weblog
昨年の5月に獣医大学でMRIを撮影した犬がいました。
「脳炎」と言われる分類に入る病態でしたが、脳脊髄液の検査等でも原因がはっきりせず、
原因不明の難病の一種と判断されました。

常識的には数ヶ月しかもたないだろうと考えられましたが、飼い主さんの努力で1年以上がんばっています。
寝たきりで排尿の障害もありますが、適切な管理で床ずれもできず、
尿道カテーテル付きながらお薬と手厚い介護で、ここまで来ました。

「手を尽くす」というという当院の方針と飼い主さんの考えが一致してここまでもったのだと考えます。
医学は相当な進歩を遂げたわけですが、まだまだ未解明な難病も数多くあるのです。
特に私が研修を受けた獣医大学の恩師のもとには、難病の患者さんが多く集まります。
現時点では治せなくても、研究が進んで急な展開がブレークする場合もあるのです。
地道な症例の蓄積と解析が必要だと痛感する日々です。

特に伴侶動物に対する動物病院での医療の場合、獣医師はなかなか病理解剖をおすすめできません。
原因がはっきりしないまま、うやむやになっているのが現状でしょう。
お亡くなりになって悲しんでいる飼い主さんにそういう提案をすることは獣医師としても気を使います。
当院では無理強いすることはないですが、原因がはっきりしない場合は、
病理解剖をすることをおすすめする場合が時々あります。
ちなみに人間の医療でも小児科領域では病理解剖は非常に少ないそうです。
親の気持ちになってみれば当然ですよね・・・。












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