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生まれつきの体質は・・・

2014-05-10 22:12:06 | Weblog
今日、あるペットショップさんから、お問い合わせの電話がありました。
犬を販売した飼い主さんから連絡があり、その犬の病態に関して意見が聞きたいとのお話でした。
当院で「遺伝的・体質的な脱毛症」であるパターン脱毛と診断した若い犬を販売したショップでした。

徐々に脱毛症が拡大してきたため、皮膚バイオプシーを実施しました。
皮膚科の専門医に病理組織診断をしていただき、客観的な診断が出ています。
その所見・意見に基づき、現在加療中です。

飼い主さんは遺伝的な素因がある疾患だから、

 ショップさんに一定の責任があるという意見のようです・・・。

獣医師サイドからその話を聞くと、ショップさんに責任を求めることには無理があるように感じます。
遺伝的・体質的な素因で生じるパターン脱毛は、
たまたまランダムに組み合わさった遺伝子の組み合わせと発現で起こるのだと理解しています。
疥癬やニキビダニ・皮膚糸状菌(カビ)の感染とは区別されるべき病態だと考えます。
たまたま持って生まれ、たまたま発現してきた症状に対し、販売責任は問えないと思っています。

人間で、持病による脱毛症は病気ですから別として、
健康な男性で特に原因のない「男性型脱毛(AGA)」は、たまたま起きる体質ということでしょう。
皮膚の変化はモロに見えますから、飼い主さんは気になって仕方ないのでありましょう。
幸い悪性の変化ではありません。
もって生まれた質(たち)に関しては、

 受け入れて共存していただきたい・・・、

と願っています。












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