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治らない皮膚病は・・・

2011-02-05 18:55:50 | Weblog
皮膚病は、犬猫の診療だとおよそ30%を締める重要な分野です。

転院して来るケースでも、皮膚病がらみは多いように感じます。
特に皮膚は、飼い主さん御家族の目に直接見えるわけです。
見かけ的にかわいそうに見えるわけですね。
お散歩中に他の人にも見られますから、皮膚病の管理は重要な問題なのです。

痒がっている姿を見ることも御家族のストレスになります。
散歩中に止まって掻いている、寝ていたのに起きて来て掻いている・・・、
ここまでくるとしっかり診断して治療しないとかわいそうですね。

原因がたくさん考えられるため、詳細な分析が必要です。
転院症例では、ダニやカビの見落とし、食事性アレルギーの見落としが目立ちます。
投薬前に、甲状腺ホルモンをきちんと測定している動物病院が少ないです。

経過が長く、原因がはっきりしない場合、うちの動物病院では皮膚生検(バイオプシー)を行います。
ほんの少量切り取って、専門家に皮膚の断面を詳細に診てもらいます。
これでしっかりと皮膚の状態が客観的に診断されます。
根拠をはっきりさせたほうがお互いに納得できます。
肉眼的にはノミ・アレルギー性皮膚炎だったのに、生検では扁平上皮癌という腫瘍だったことさえあります。

可能な限り医学的な根拠(エビデンス)を求めることは、臨床家にとって重要だと痛感します。




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