日々の出来事

当院の出来事を紹介します

学ぶ環境

2014-06-12 01:16:38 | Weblog
セミナーのため出張して、遅くに帰ってきました。頼まれ仕事の期限があったので、先ほどメールしてようやく今日の仕事は終了です。グレン・グールドのピアノでバッハを聴きながら書いてます。

パソコンやインターネットが普及してから、どこでも情報にアクセスできる環境ができました。学会に行っても普通にタブレット端末を携帯している姿が当たり前になっています。プレゼンする先生はパソコンごと持って歩いている方もいます。英語が堪能な方は、そのまま海外にサイトにアクセスしたりも普通です。すごい先輩だと、ご自身の動物病院のホームページ内に資料室が隠してあり、自分の資料がそこから取ってこれる・・・、目の前でパッとオリジナルの資料をダウンロードして見せてくれた際はビックリしましたね。いつでも自分の資料が取り出せるようにしている・・・、臨床家であってもそこまでしているんだ・・・と感激したものです。

いつでもどこでも、東京でも地方でも、勉強はできます。若い獣医師の先生方は東京・関東近郊の動物病院に就職するケースが大多数です。学会やセミナーに行きやすいことに加え、仲間内で情報交換をしたいからだそうです。困ったら大学病院や専門性のある病院や二次医療の動物病院がある。地方の動物病院は、特に新潟では最近までMRI検査が県内ではできない状態でした。必要な場合は、東京まで持って行っていたことが懐かしく思い出されます。だからこそギリギリまでしっかりと絞り込む必要性があったのです。「わからないからとりあえず回しちゃえ」は、地方ではありえません。実力をつけたいなら、地方のまともな動物病院で絞られた方がいいのでは?と思うくらいです。この間見学に来た若い先生は、3年目でもまともな手術をさせてもらっていませんでした・・・。いったいいつになったらまともな外科手術を体験するのでしょうね?1年目から執刀し、3年目には一人で大半の外科を執刀していた自分からみると、もったいない気がします。

先日の夜中に、肥大型心筋症の猫が血栓塞栓症で来院しました。そのまま入院し、私は一人で血管留置針を設置して血栓溶解剤を投与しました。翌朝に平井先生が「院長、どうやって一人でやったんですか?」と聞いてきました。一人でやる技術があるからやってしまう・・・、やったことがある人は当たり前にできる。やらないから体験できない。必死になれば、かなりの事は一人でできるのです。私も若い頃に恩師から、「まともな獣医はこのくらい一人でやれるで(大阪弁)」と言われて、ムキになってがんばった記憶があります。

勉強はどこでもできます。ちなみに私の勉強部屋は倉庫の一部です。狭い方が自分の原点にちかく、落ち着くのです。広い応接間みたいな空間では、かえって落ち着かないのは貧乏性だからでしょうか。