日々の出来事

当院の出来事を紹介します

口蹄疫の講習会に出て

2012-11-18 19:05:16 | Weblog
今日の午後は、新潟県獣医師会の講習会があり、以前宮崎県で発生して大騒ぎになった「口蹄疫」についての解説を拝聴してきました。

獣医師の仕事には犬や猫などの小動物の診療の他に、牛や豚などの産業動物の医療、公衆衛生に関わる仕事、競馬馬の診療などがあります。人の医療が専門分野で別れているように、獣医師の仕事は動物の種類で大まかに別れていると思います。したがって明日私に競馬馬の診療をせよ、と求められても無理なんですね。

今日のお話は、宮崎県で発生した家畜伝染病である口蹄疫(あの○○皇帝液ではない)を、いかにして封じ込めたか・・・ということに関する講習会でした。まさに「ウィルス・ハンター」の世界であります。
敵は目に見えない、たまたま人には来ない病気だけれど伝染性が極めて高く、畜産に多大なダメージを与えるのであります。うまくいった点もあれば、問題があった点もある・・・。しかし専門的に見れば、あの大発生を宮崎県内だけで封じ込めたことはむしろ賞賛に値する出来事なんだそうです。

日本人の生真面目さがうまく働き、確かに国内での大発生であったが、封じ込みに成功できたことは、すごい大仕事なんだそうです。イギリスでは800万頭が殺処分されたような過去があり、日本は最小限の被害に食い止めた、そういうことなんだそうです。

農家の方々や地域の方々、力を合わせた獣医師の活動があり、むしろ短期間に終息に持ち込んだ・・・、
目立たないけど大きな仕事だな・・・と感じました。いつも自分の病院の中の出来事しか見ていないので、他分野の獣医師の話は、リアルで新鮮でありました。