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獣医さんが入手できないお薬

2012-11-15 11:38:32 | Weblog
先日、呼吸困難のため時間外診療でいらしたワンちゃん、
フィラリア症の後遺症と考えられる「肺高血圧症」を以前から患っています。
極端な心不全・呼吸不全ではないものの、心臓のエコーを見たところ、
右心室と右心房がパンパンに拡張してうっ血していました。

三尖弁の変性や閉鎖不全が明らかなので、なんとかしたいのですが・・・。
肺の血管を拡張させるために使いたい薬があるんですが、獣医師が入手困難な薬剤であり、限界を感じています。

その薬の名前は「バイアグラ」

成分名はクエン酸シルデナフィル・・・と言います。

人では普通に用いられていますが、獣医さんは入手できない医薬品なんですね。
悪用というか闇で流通されてしまうと厄介だからでしょう。

今は普通に使われているプロポフォールという麻酔剤も、以前からは獣医師は入手困難でした。
呼吸抑制が強いため、呼吸管理がきちんとできない獣医さんには販売してもらえませんでした。
ある偉い獣医さんが活動して、入手できるようになったと聞いています。
循環抑制が最小限なので、今では麻酔導入で最も使用頻度の高い薬剤です。

今は入手困難でも、将来は正当な医薬品として入手できることを期待しています。
医療用麻薬(モルヒネなどの鎮痛剤)と同様、使用量をチェックすれば、
販売してもらってもいいんじゃないかな・・・個人的には思うのですが・・・。