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検査しないとわからない・・・

2011-12-30 22:39:38 | Weblog
今日の診察で、検査の重要性を再認識しました。
二頭のワンちゃんで、想定外の異常を確認しました。
通常の診察では、わからないことが見えてきました。

一頭は、心臓の聴診で雑音が聞こえるワンちゃんです。
今までの動物病院さんでは、聴診すらしてもらっていませんでした。
レントゲンでは心拡大が、エコーではかなりの心機能の低下が確認されました。
聴診でもある程度の推測はできたものの、
検査値の指標は、臨床症状の軽さと合致しないほど悪いものでした。
つまり見た目以上に検査結果は悪かったということです。
すぐに投薬の組み合わせを変更強化しました。

もう一頭は、近いうちに歯の処置を予定しているワンちゃんです。
麻酔前の総合検査として、一通りのチェックを行いました。
心臓に軽度の変化はあるものの、血液検査屋レントゲン等では全く異常値はありませんでした。
しかしエコー検査で、脾臓と肝臓に限局性の病変がいくつか発見されました。
すぐに悪性の変化とはいい切れませんが、良性という確証もないのです。
病変が小さいため、確定診断は現時点はけっこう難しいと思います。

診察だけではわからない、血液検査だけではわからない、
そういう変化を検出できる時代になったのですね。
デジタルレントゲン、デジタルエコーの底力を感じた今日の診療でした。