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「創傷治癒」の講習会

2011-01-18 20:43:03 | Weblog
日曜日に、学術委員長をさせていただいている新潟小動物臨床研究会の講習会を行いました。
講師は、東京都で動物病院をされている山本剛和先生でした。
私が研修医をしていた獣医大学病院の後輩筋にあたる方です。
共通の知り合いの先生がいたりして、楽しい会話ができました。

創傷治癒(そうしょうちゆ)は、要は傷が治ることですね。
動物病院では犬猫を中心に、いろんな外傷の子が来院します。
外で喧嘩した、交通事故にあった、他院での手術の傷がくっつかない等々、
様々な傷があり、獣医師の頭を悩ませます。

すぐに治るものから、数ヶ月もかかるものまで様々です。
体には自ら治す力(再生力)が本来備わっています。
それを邪魔せず、適切に管理して、痛みや苦痛から動物を開放してあげたいのは、
どんな獣医師にもある共通の認識ではないでしょうか?

ポイントを押さえれば、そうそう変なことは起きないのです。
でも、時々は想定外の事態が起き得ます。
人間ならしないような動き、例えば傷を激しく舐めてしまったとか、安静にできないとか・・・。

昔は、傷はガーゼを当てて乾かして治すものでした。
消毒をするものでもありました。
しかし現在の創傷治癒の理論は異なります。
実践してみれば一目瞭然なのですが、治る早さが全然違うのですね。
圧倒的に早いわけです。傷もキレイだし・・・。

治る機転を邪魔しない・・・、消毒は細胞にも毒、肉芽を大切に扱う、
乾燥すれば細胞は壊れる等々・・・、知っていたことと知らないことがありました。
アップデートをサボると、あっという間に置いて行かれる・・・、
そういう時代に診療しているんだな、と実感してしまいました。