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人の終末期医療につき合ってます

2010-05-12 21:57:20 | Weblog
親族の者で、末期癌で入院・闘病している者がいます。
家内の親族なので血縁はありません。
うちの動物病院から近い病院に入院中ですから、お見舞いに行きます。
今日も、昼に税理士さんの所にいってから、寄ってきました。

徐々に体力が低下してきていらっしゃるので、見ている方もせつないです。
ご本院の意識はしっかりしているので、体のどこが痛いなど主張もあるわけです。
家族の方々や病院の関係者も、いろいろ不満を言われることもあるわけで、たいへんそうです。
動物の場合、痛いとか苦しいとかのグチを、言葉で言えないわけですね・・・。
それはそれでかわいそうですし、その事には気づいてあげたいと思います。
人間の終末期医療は、違った意味でたいへんなのだと実感しています。

動物の末期癌での看取りに比べると、進行の速度がゆっくりでかえってつらそうに見えてきます。
動物の場合は、人に比べれば早く進んでしまうように感じています。
現場にいると、その速度の違いに圧倒されます。
動物病院に戻ると、「私にとっては」普通の速度の戻ります。
人の病院に行くと、ジワジワと進んでいるようで、かえってかわいそうに感じてしまいますね。

人の医療は基本的には「保険診療」ですから、マニュアル通りに治療が進みます。
動物の場合、初めから「自由診療」ですので、ケースバイケースで、看取り方を考えて行かなくてはなりません。
ジワジワと、しかし確実に病態が進んで行く・・・。
それにつき合う家族の負担を考えると、双方が大変なんですね。
動物は、飼い主に負担をかけずに、短期間で旅立っていく・・・という感じさえします。