日々の出来事

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急な「腰抜け」症例

2010-02-27 23:12:30 | Weblog
夕方、仲間の先生から電話がかかってきました。
用件は、不在になるため入院患者を転送したい、とのことでした。
お互いさまなので、お引き受けしました。
私も開業したてで、県外での結婚式や葬儀で、不在になる場合は、
先輩の病院へ行っていただいたことが何度もありました。

来院時に、そのワンちゃんは腰が抜けているというか後肢が立たない状態でした。
アッパー・モーターニューロン・サインがあり、脊髄横断性病変が疑われました。
問題は、神経反射で重要なプロプリオセプションと深部痛覚がほぼない、ことでした。
専門家による緊急処置が必要と考えられました。

でも土曜日の夜なんですよね・・・。
困りました。
埼玉の整形外科が専門の先輩獣医師の携帯へ電話しました。
「どうしましょう?」と検査結果と状態を説明しました。
「明日の日曜日の午前中に持って来なさい」とのご指示をいただきました。
日曜日だが、すぐCTを撮影して手術してくれると言うのです。
大学病院ではこうはいきません。
このケースでは、24~48時間以内の手術が必要なのですね。

立てなくなったのは、今日の昼からのようでした。
明日の昼ならギリギリ24時間です。
犬種から、脊椎の先天奇形である「蝶形脊椎」による脊髄圧迫が疑われます。
明日の朝、車で犬を埼玉まで運びます。
検査と手術が、うまくいくようお祈りください。
最善を尽くせば、それなりの良い結果が出ると、確信しています!