ナンプレを解こうとすると、まず二択マス・強リンクを攻めようとしますが、なかなか思うように進めないですね。そのような時は三択マスを攻めますと、良い結果が出る場合が有ります。理由は色分けした場合に全て同じ色には絶対にならないからで、必ず2対1の色分けになるからです。当然同じ色の数字2個は削除されます。
今回の題材は、いちごナンプレ研究所 さん作の、私が「思う壺」と名付けた作品で次の図です。
ツイッターでの最初の付与基準での難易度ポイントは195Pで、次の基準では133Pで、最新の基準では321Pの作品です。一目見て相棒ナンプレと判りますね。この作品を色々な解き方をしてみたいと思います。
候補数字を入れます。
整理して、この図から解き始めます。
Ⅰ.Bahamut を出現させる。
▢に5・8の二択マスが在ります。
▢と▢には違う色の8が入ります。
▢と▢のそれぞれの共通の領域である▢には8は入れませんので、削除されます。
▢の8を8にしますと、一心同体で8が入ります。
8を更に拡げます。
二択マスには反対色の数字が入りますので、5が入ります。
▢の8と▢の8は強リンクですので▢には8が入ります。▢と▢のそれぞれの共通の領域である▢には8は入れませんので削除されて、▢に8が入ります。
▢と▢のそれぞれの共通の領域である▢に8が入ります。従って、8は削除されます。
▢の8と▢の8は強リンクですので▢には8が入ります。
▢と▢と▢の8のそれぞれの共通の領域である▢に8が入りますので、8は削除されます。
8の Loop が出来ました。
▢と▢に5・7の二択マスが有ります。
7は一心同体ですので同じ色が入りますが、5は入れませんので7が入ります。すると、5が入りますので5は削除されます。
▢と▢には5も5も入れませんので、削除されます。
▢には2と5が入ります。
3個の▢の2は一心同体ですので2が入り、二択マスですので5が入ります。
▢には2が入りますので、5と2は削除されます。
3個の▢には8が入ります。
▢に2が▢に2が入りますので、3個の▢の2は削除されます。
3個の▢には5が入ります。
従って、5は削除されます。
Bahamut です。2は▢のどちらかに必ず確定します。従って、▢の2は削除されます。
削除された2は2でしたので、赤色数字は全て削除されます。2で進めて、
5で進めて、
7で進めて、
8で進めて、
3で進めて、
正解です。この手順が一番難問らしく見えます。
Ⅱ.ロジックを使って普通に解く。
8の奇数個連鎖です。8から下へ 強・強・強・弱・弱 で、8は削除されます。
進めて、
2個の▢の2は一心同体です。二択マスですので反対色の5が入ります。
Remote Pairs です。2個の▢の2・5のそれぞれの共通の領域である▢に反対色の2・5が入ります。従って、8は削除されます。
8で進めて、
5で進めて、
2で進めて、
こちらの方が簡単に見えるでしょう。
Ⅲ.相棒ナンプレとして解く
8の奇数個連鎖です。8から下へ 強・強・強・弱・弱 で、8は削除されます。
8で進めて、
相棒ナンプレではどんな問題でも中心マスには5が確定します。5で進めて、
2で進めて、
8で進めて、
5で進めて、
2で進めて、
この作品が公開された時には相棒ナンプレと云う名称は使われていませんでしたが、点対称10型として対応しました。
Ⅳ.3数字の対称性を利用して解く。
この手法は、numpl_nom さんが投稿して下さった手順を、ご本人の承諾を頂きまして私が自分で理解出来るよう色付けしたものです。従って、私が解いた手順ではありません。3数字の対称性を利用して解くと云う手法は初めて目にしました。
左中ブロックの2・5・8の三択マスを▢と▢と▢に色分けをして3ヶ所に別の数字が決まるとします。
第6行と第9行はこの色分けになります。
第7行はこの色分けになります。
第9列の▢は▢と▢のどちらかにになります。
▢が▢だとすると、
第8列はこの色分けになります。
第3行はこの色分けになります。
中上ブロックはこの色分けになります。
すると、左上ブロックの3個在る▢の何処にも▢は入れません。
つまり、▢=▢のこの図は間違いとなります。
▢=▢のこの図になります。▢には同じ数字が入りますので、この時点で▢には5が入ることが判ります。
そうすると▢には2が入ります。
2で進めて、
2で進めて、
8で進めて、
こんな手法が有るのですね。目から鱗です。numpl_nom さん有難うございました。
Ⅴ.究極の新手発見?その名は「あひるの子」
仲良し3兄弟が居るとします。稀に2人が連んで残った1人は除け者になることが有るでしょう。でもナンプレではその除け者こそが当たりなのです。童話より「あひるの子」と名付けました。
使う数字候補は第1列だけです。▢の5・8の色分けを5・8とします。
▢は2・5・8の三択マスです。
▢に2が入りますと上の2マスに3・5の二国同盟が出来て、▢に8が入りますので▢の2は2です。これをA図とします。
▢に5が入りますと▢に8が入りますので▢の5は5です。これをB図とします。
そして、▢に8が入りますと▢に5が入りますので▢の8は8です。これをC図とします。
A図とB図とC図を重ねますと、▢で2と5で赤数字がダブります。
同じマスに同じ色は複数入れませんので、赤数字は削除されます。
この図は Ⅳ の途中図の裏返しですので、続きはご自身でどうぞ。
それと、この手法は第1列のように三択を構成している3数字とは別の数字が絡んでいることが必須で、
第3列のような3数字だけの候補数字配置では「あひるの子」は使えませんので、ご注意ください。使えるのは、あくまでも第1列のような特殊配置の場面だけです。
いちごナンプレ研究所 さんの思う壺は何番目なのでしょうか。それともまだ別の手法が有るのでしょうか。
次回は、numpl_nom さんがコメント欄で提示された問題で、次の図です。
コメントは、「3数字の対称性を利用して解く問題で、2方面から(すなわち二択=色分け法)では攻略できない意味もあります。」と云うものです。
時代劇風で云えば、これは私に向けた「刺客」(笑) のようなものです。ですので、私はこの作品を「くノ 一 」と名付けました。
ご覧頂きまして有難うございました。