ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

ケンシコ・ダム・プラザ

2018-02-03 15:47:23 | 食事
 ケンシコ・ダム・プラザは、ニューヨーク州ホワイト・プレインズにあるダム湖及び周辺の公園である。“ダム”とは何とも力強い響きを持つ言葉であり、ついつい「ダム! ダム!」と声に出してみたくなる。また、その力強い響きどおりの質実剛健な構造物が自然の中にドシンと居座る感じに魅力を感じる人が少なくないようで、有名人でもなだぎ武さんや長瀬智也さんなどが“ダムマニア”を自称しているようだ。30代独身日本式サラリーマンにとって昨今の深刻な課題となっている週末の暇つぶしの一環として『ダム巡り』を決行したので、そのレポートです。


このダムの特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①アクセス
ニューヨーク州ホワイト・プレインズ市はマンハッタンから約20マイル北方にある町で、地価が比較的安く鉄道駅も整備されていることなどからニューヨーカーたちのベッドタウンになっているようだ。コネチカット州ハートフォード市からは約1時間半のドライブになる。91号線を南下しニューヘイブンから95号線をロング・アイアンド・サウンド沿いに走る道や、84号線の山を抜ける道などの複数のアクセスがあるので、交通状況によって使い分けたい。前者の道は海沿いとはいえ海が見えることはほとんどなく、雑然とした工業地域や住宅地ばかりの退屈な景色になるので期待しない方がよいだろう。ここまで来たならばマンハッタンまで行けばいいのだが、“ベイエリア30代独身日本式サラリーマン、ニューヨークへ行く”の図を思い浮かべると、どうも気後れしてしまい、ダムに落ち着く。


②概要
ケンシコ・ダムは、ニューヨークの水需要の増加に併せて1885年に築かれダムであり、1917年にさらなる需要の増加で改築されている。立方体に切断したブロック石を積み上げて造られたロック・フィルダムと呼ばれる形式のダムであり、ダム高94m(ダム高とは地表面からの高さではなく、地中に埋められた基礎部からの高さを言うとのことだ)、ダム幅562mのサイズは黒部ダムと幅は同等、高さは半分くらいの程度だ。


③ダム
人里離れた峻険な谷間に築かれている日本のダムとは異なり、平野部の緩やかな丘陵に囲まれた盆地を利用したケンシコ・ダムはホワイト・プレインズの市街地から非常に近い。ダムの下流側が開かれた公園になっているいるので、ダムの正面真下に立ってその大きさを実感することができる。だがその風貌はダムとは思えない。横長で、規則正しく切断加工された花崗岩ブロックが曲線的に積み上げられ、頂部に幾何学模様が彫られた石が並ぶ様は中世の城壁のようだ。写真を収め、あまり知識を持たない人に『これはトルコにある要塞です』と見せると信じてもらえるほどだ。ダムの堤内から地下水路に排水しているために下流側に川がない点や、水が張られていないリフレクティングプールがまるで空堀のように正面に鎮座している様子も城壁らしさを高めている。石垣マニアの人にとっても一見の価値があるダムだ。


④ダム2
ダム頂部へ登る遊歩道がダム両端の丘に造られている。ここからは堤体を真横から眺めてその曲線美を堪能することができる。頂部に登ると下流側にはホワイト・プレインズの街並み、上流側には広大な人工湖を眺めることができ、万一このダムが壊れたりしたら大変なことが起きることが小児でも想像がつく。そしてしばらく景色を眺めるともうすることがなくなるので、遊歩道を降りることになる。



 ケンシコ・ダムは一見の価値はあるものの潰せる時間は長くても1時間程度だ。でもホワイト・プレインズには日本人を含むアジア系の人々が多く暮らしているようで、ベイエリア30代独身日本式サラリーマンの台所のニジヤさんや、韓国・中国系スーパーが沢山ある。ハートフォード近辺では手に入らない酒・食材を仰山入手して、「ダム!ダム!」と呟きながら車で帰宅した。

コメントを投稿