ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

カリフォルニア州鉄道博物館

2017-03-04 07:52:11 | 生活
 カリフォルニア州鉄道博物館は、サクラメント市にある博物館だ。2017年初頭のカリフォルニア州は、異常な降水量の影響による洪水やダムの決壊などといったニュースが連日紙面を賑わせており、ナパ・バレーのぶどう農家やゴルフ場経営者の頭を悩ませている。そして曇りがちな週末続きで、筆者の休日の暇つぶし先も自ずと屋内へと向かう傾向にあるのは日本式独身サラリーマン諸氏の知るところであろう。最近では、「私の趣味は、ミュージアム巡りです」と言っても差し支えないほど毎週末ミュージアムへ足を運んでおり、今回はついにベイ・ブリッジを渡り、2時間のドライブを経てサクラメント市まで行ってきましたので、諸氏に報告します。


この博物館の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①概要、立地
この博物館は、カリフォルニア州都サクラメントの昔ながらの街並みを残したオールドタウン内にある。オールドタウンの入り口にあるレンガ作りの立体駐車場に車を止め、西部劇さながらの街並みや古い駅舎や校舎を眺めながら歩いて博物館へと向かう。


②博物館
博物館は童たちで賑わいを見せており、入り口は行列だ。米国では日本のような高速旅客鉄道よりも、航空システムが先行したため、現存する鉄道の多くは貨物が主体あり、鉄道というものが日本に比べて地味な存在かと思っていた。しかしそれは間違いで、開拓時代に脈々と延伸してきた鉄道網や黒煙を上げてそこを走る蒸気機関車は、米国人のフロンティア精神の象徴のような存在であり、この博物館のような施設は米国内にいくつもあり、どこも人気のスポットなのだそうだ。


③展示
料金は12ドルと、ヒラー航空博物館に比べると割安だ。そしてヒラー航空博物館と同様に、受付の女性に『大人ひとり』と伝えるのがこの施設で一番辛抱が必要な瞬間だ。館内の1階には、古い蒸気機関車や寝台車、食堂車、さらに降雪除去車両などがそのまま展示されており、中に入れるものもあるので、童たちはおおはしゃぎで、筆者の心も踊る。炭鉱夫や運転手、食堂車の調理人などのマネキンの作りがヒラー航空博物館よりも精巧で、臨場感がある。それにマネキンと同じような恰好の係の人がいたりするので、「こっちはマネキン、そっちはヒト」と注意を払わないとマネキンが急に動き出して仰天する。また、鉄道建設の歴史が展示されており、苦力たちの頑張りや大陸をついに繋ぐ最後の犬くぎを入れる場面の絵画など、人々が鉄道に託した夢を感じることができる。2階は童を対象にしたワークショップコーナーと、米国式鉄道マニアを対象にした鉄道模型のコーナーがありこれも興味深い。


④土産物コーナー
土産物コーナーで注目したいのが、鉄道DVDの品揃えだ。筆者はコロラドの鉄道についてのDVDを早速購入して自宅で見たが、ひたすら列車の走行シーンを流すもので、昼に酒を呑みながら見るにちょうどいい代物だった。




 かつて日本において“鉄道という趣味”は何故かマイナスなイメージで捉えられ、自己紹介の席などで、「私の趣味は、鉄道です」と公に堂々と口にすることは憚られる傾向にあったが、故原田芳夫氏やタモリ、岸田繁、六角精児といったインテリ系芸能人の努力の甲斐もあり、鉄道ファンは徐々に市民権を獲得し、今では“鉄っちゃん”などという愛称で親しまれるほどにまでなったし、鉄道オタクアイドルという少女まで現れた。世の中は変わり続けるが、このレールに乗っかっていくといずれ破滅するのではないかという不安が消えることはない。