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ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

若い大根・幼い大根

2024-11-04 02:10:09 | 食材

若い大根・幼い大根とは、ずいぶんと小さい大根のことである。それは韓国系のスーパーで売られている。30代独身日本式サラリーマンは、大根とはあまり縁がない食生活を送りがちというものだ。というのも大根というのは “大” が付くだけに大きいので、一人暮らしには持て余す。そのうえ火が通りにくく、手軽に調理できる代物でもないからだ。そのまま食べるとけっこう辛い。しかしこの若い大根・幼い大根はすこぶる便利で汎用性があり、筆者の最近の食生活を劇的に変化させたので、ここで紹介したい。2024年の衆議院選挙ではタマキン率いる国民民主党が大躍進を見せ、過半数議席の獲得を逃した政権与党に対して発言力を増している。個人的にはテレビでは取り上げられない参政党の3議席獲得の方に、未来を感じる。び、美人が多い。

 

 

 

この野菜の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。

 

 

①若い大根・幼い大根を見つける。

若い大根・幼い大根は、~Hマートで買えるヒラメのアラ~の回で紹介した韓国系スーパー、Hマートで発見された。仕事帰りに立ち寄るこのHマートの入り口には、制服を来た陽気なメキシコ人ガード・マンがいるので、彼に毎度挨拶をするのが楽しい。Hマート特有の、カートがやっとこさすれ違えるほどの狭苦しい店内もまた、買い物客との “『エクスキューズ・ミー』『ノープロブレム』” の応酬が楽しいものだ。若い大根・幼い大根はちょうど野菜コーナーとキムチ系総菜コーナーの境界に置かれ、新鮮っぽさを保つべくミストが噴霧されている。

 

 

 

②若い大根・幼い大根

若い大根は“Young Daikon”幼い大根は“Baby Daikon”という表記で売られている。大根は米国ではそのまま“Daikon”として認知されているのだ。 “Young Daikon”はトイレットペーパーの芯程度のサイズ、“Baby Daikon”に至ってはニンゲンの小指ほどの大きさしかない。どちらも頭についた茎葉部分で束にされて売られている。おそらくは栽培時に間引きされたものであろう。価格も一束で1ドル未満と、他の葉物野菜に比べて数段安いので、幼い大根の方を手に取った。平日夕暮れ時のHマートのレジには、たまに学生バイトのような韓国風田舎娘がいたりするのも楽しい。

 

 

③若い大根・幼い大根をそのまま食べる

長屋へ戻り、とりあえず幼い大根はよく洗って土を落としてからざく切りにしてみた。そしてそのまま台所でつまみ食いを敢行すれば、おやまぁこれが刺激的で、思わず一人元西武ライオンズのデストラーデ選手ばりのガッツポーズを決めたのだった。まず葉が美味い。自然味溢れる青臭さに、ほどよいピリリとした刺激、シャキシャキ歯ごたえが心地よい。そして大根は、沢庵のようなしっかりとした歯ごたえに、辛みは少ないが濃厚な甘味があって美味である。冷酒のつまみとしてかなり使える代物で、酢やをほんのちょとだけかけてみたり、ワサビを香り程度につけてみたり、紫蘇ふりかけで和えたりしても最高なのだった。

 

 

このような成熟前の大根は、西洋スーパーや中南米スーパーでは勿論のこと、他のアジア系のスーパーでも見かけないもので、韓国人特有を対象にした商品ともいえる。韓国人はおそらくは漬物にしているのだろうと思い、筆者もざく切りに下若い大根や幼い大根をタッパーの中で酢につけて、乾燥昆布を入れたりしてエセ漬物作りに勤しんでいる。これがまた美味で、それに楽しいのだ。葉はパーフェクト野菜のようだし、これまで水分95%とバカにしていた根の部分も、ビタミンやミネラルをバランスよく含み、でんぷんやタンパク質の分解や消化を助ける酵素も含まれるという。さて、数日後は米国大統領選挙だという。

 


ニジヤ・スーパーのかつサンド

2024-10-21 01:04:33 | 食材

ニジヤ・スーパーのかつサンドとは、ニジヤ・スーパーの総菜コーナーで売られているかつサンドのことである。筆者がベイ・エリアの日系スーパー“ニジヤ・マーケット”へ足を踏み入れることは滅多にない。だが行けばほぼ100%の確率で、このかつサンドを買ってしまい、休日の貴重な昼食をそれで済ませてしまうものだから、ブログのネタ作りに支障をきたすのだ。こいつと出会ってもう10年が経つが、こいつを記事にすることを失念していた。日本では石破総理大臣が衆議院を解散し、選挙運動が盛り上がりを見せており、そして関東では小金持ち老人邸を狙った押し込み強盗事件が多発しており、新たな犯罪手法として小金持ち老人らが不安を訴えている。

 

 

このかつサンドの詳細は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。

 

 

①ニジヤ・スーパー

筆者は30代独身日本式サラリーマンであるから、精神のベースはうっすら元ネトウヨのナショナリストである。であるから諸事情によりあまり足しげくは通わないものの、ニジヤ・スーパーなどの日系スーパーは応援している。青く晴れたベイエリアの週末に、開店直前のニジヤの駐車場に車を止めて、NIJIYAの“N”と虹屋の“虹”を合わせた青いロゴを見ると、嬉しい気持ちになり、買い物中にはまるで故郷の商店に戻ってきたような気恥しさがあるというものだ。

 

 

 

②日系スーパーの総菜

そのニジヤ・スーパーを含めて2020年代の日系スーパーは、日本食ブームも相まって総菜コーナーに特に注力しているように見える。そのためお昼前の総菜コーナーは寿司やそれ以外の揚げ物弁当類やカレーなどを求めて、日本人以外の買い物客も多くみられる。そんな中にかつサンドがある。それはニジヤの店奥の総菜コーナーの左上でけっこう幅を利かせて並んでいるので、筆者以外にもファンが多いように見える。

 

 

 

 

③ニジヤ・スーパーのかつサンド

ニジヤ・スーパーのかつサンドは、6枚切り程度の厚さの食パンに、分厚いとんかつとキャベツサラダが挟まれている。しかもとんかつとキャベツサラダの間にもう一枚食パンが入った、いわゆる“2段重ね”のサンドイッチになっているため、初めて購入する人は『あれれ?どこからどこまでが一切れかな?』と戸惑うに違いない。小さなプラスチック容器に合計3切れのサンドイッチが入る。これが7ドル。これは2024年現在ではかなりなお買い得商品である。だいたいサブ・ウェイなどでサンドイッチを購入すると、10ドルを超えてしまうのが現状だ。それにセイフ・ウェイなどの庶民派スーパーで買える安いハムなどが入ったサンドイッチでも、10ドル近い値段であることを考えると、これはたいへんに安い。筆者の相場感覚では、とんかつだけでも7ドル程度で売れるほどの大きさである。

 

 

分厚いとんかつのうえに2段重ねにされたかつサンドは、口を大きく開けてかぶりつかなくてはならないが、それが幸福だ。アメリア式の不健康サンドイッチとは異なって、とんかつソースやサラダのマヨネーズの量が控えめなので、パンや衣の風味がしっかりと楽しめる。それに豚肉はほどよくジューシーで、冷めていてもしっとりと美味しい。かつサンドは、東京文京区のとんかつ屋が芸者衆が口紅を落とさずに簡単につまめるようにと考案したものだと言う。筆者もまた、ニジヤで買ったカツサンドはすぐに車の中で簡単につまんで平らげてしまうので、考案者の思惑は大成功のようである。ニジヤのかつサンドは、口を大きく開けなくてはならないけれど。

 


青パパイヤ

2024-10-13 23:17:17 | 食材

青パパイヤとは、熟れて黄色くなる前のパパイヤの実のことだ。タイ料理のソムタムは青パパイヤで作るサラダで、筆者が本当に好きなメニューだ。しかし日本では青パパイヤが売られていることはあまりないし、あっても高級スーパーなどで高値で売られるため、自宅でソムタムを作るなどということは難しい。たまにニンジンやキャベツを代用したものを見ることがあるが、やっぱり青パパイヤでないと寂しいものだ。だが嬉しいことに北米大陸では青パパイヤが簡単に手に入る。30代独身日本式サラリーマンにとって自家製ソムタムはたいへん有益なので、ここで紹介したい。大統領選を来月に控えていても、イランが200発のミサイルでイスラエルに報復しても、私たちは毎日の生活の変化に気が付かない。

 

 

この食材の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。

 

 

①青パパイヤは(日系以外の)アジア系スーパーならどこでも売っている

青パパイヤは、(日系以外の)アジア系スーパーならどこでも売っている。小児用のラグビーボール程度の大きさの青パパイヤが、段ボールに入れられてゴロゴロしている光景は一年を通して見ることができる。しかもこれがパウンド1.5ドル程度の安価で売られているのだ。逆に黄色く熟したフルーツパパイヤの方は見かけない。2024年10月時点においては、パパイヤは“果物”というよりは“野菜”と認識している人が、アジア地域には多いように思われる。ちなみに“ピザは野菜”とアメリカ議会が認めているのは有名な話だ。

 

 

 

②ソムタムを作るのはストレス

であるから、青パパイヤを買わない手はないのだ。とはいうものの、筆者は長く長く、その青パパイヤを放置して過ごしてきたのだ。それはソムタムの調理に関して幾つかの億劫(オックー)な点があったからだ。まずは材料の多さである。ソムタムのレシピを見ると、それは青パパイヤの他にも、ニンジン・トマトなどの脇役野菜、それにニンニク・唐辛子・ナンプラーといった香辛料・調味料や、さらにはナッツ類や干しエビなどの隠し味と、こだわればこだわるどに材料が多くいる。これはたいへんな億劫(オックー)である。次に“千切り”に対する恐れおののきだ。タイ料理店などで食べるソムタムは、何といっても細かく千切りにされた青パパイヤのシャキシャキ感が大事なのである。しかしあの小児用ラグビーボール大の青パパイヤを、長屋の台所で一人、ただただ自分のためにシコシコ千切りにする手間を思うと、それはそれは億劫(オックー)だったのだ。そのため筆者はかれこれほぼ10年ほど、北米でソムタムに挑戦せずにずっと時を過ごしたのである。

 

 

③ソムタム作りに挑戦

しかし一念発起して青パパイヤを購入した。併せて『千切りが簡単!』と書かれたギザギザタイプのピーラーまで購入したのだから、それは決意である。長屋へ戻り小児用ラグビーボール大の青パパイヤを『エイヤ!』と包丁で真っ二つにすれば、中からビービー弾状の黒ずんだ種がバラバラと大量に零れ落ちてくるので慌てる。そして千切りピーラーを使用してみるが、青パパイヤの繊維はなかなかに堅いうえに、切れた果肉がピーラーから離れずにこびり付くために、『こんなに簡単!』という訳にはいかず、向きを変えたり、持ち替えたり、洗ったりしながら時間をかけて千切りにする。ニンジンの方は比較的簡単に千切りにできるので、青パパイヤの千切りには違う道具がよいようだ。だが、時を忘れて青パパイヤを千切りにする作業は悪くない。

 

 

 

④30代独身日本式サラリーマン用ソムタムレシピ

それでなくても千切りで時間を食うので、その他の具材を最小限で旨いソムタムを味わいたい。千切りにしたニンジンと青パパイヤは塩で揉み、水で洗って苦味を取る。そして同じく薄切りの玉ねぎとみじん切りのシエントロ(パクチー)をふりかける。そしてライムを絞って、香りづけ程度にナムプラー、それと酢をちょいちょいとかけて、冷蔵庫に入れておく。ものぐさ30代独身日本式サラリーマンにはこのくらいが限界である。

 

 

 

これがたいへんに美味なので、筆者は一人長屋の食卓で、元西武ライオンズのデストラーデ選手を彷彿とさせるガッツ・ポーズを決めたのだった。歯ごたえ、青臭さ、酸味、うっすらとした塩分が最高で、玉ねぎとパクチー(シエントロ)の薬味が聞いてパンチ力もある。ビールが進むおつまみサラダだ。栄養価も非常に高くパーフェクトレシピと言えよう。青パパイヤ半分でドカベンの弁当箱大のタッパー一杯分のソムタムを作ることができる(作らなくてはならない)ので、モリモリ食べられるだろう。昨今では日本でも青パパイヤの栽培が盛り上がりを見せているらしい。あの少し気色悪い種にはワサビの風味があるだとか、まだまだ可能性のある野菜であるから、これからも研究を続けたい。


杨掌柜の粉面菜蛋

2024-10-06 04:11:16 | 食材

杨掌柜の粉面菜蛋とは、筆者がマリーナ・スーパーマーケットで見つけたカップ麺である。久方ぶりのカップ麺シリーズだ。ここ最近の筆者は、見たことのあるカップ麺ばかりが陳列されたスーパー・マーケットを、『ふん、これも知っておるわ。ふふん、これも既に知っておるわ・・・』と玄人ぶって闊歩していた。しかし世界のカップ麺事情は2024年現在も日進月歩で変わっており、油断はならないというものだ。この杨掌柜の粉面菜蛋は特に奇抜な商品なので、ここで紹介したい。おそらく日本人では筆者が第一の杨掌柜の粉面菜蛋経験者であろうから、これは貴重なルポである。

 

 

 

このカップ麺の詳細は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。

 

 

①マリーナ・スーパーマーケット

言われてみれば、本ブログではマリーナ・スーパーマーケットについてあまり述べていないように思う。筆者の愛するスーパーを記憶にとどめるためにも、ここで簡単に触れておきたい。ぎりぎりサン・マテオ市、ほとんどフォスター・シティ市に位置するマリーナ・スーパーマーケットは中華系のスーパーで、安さと魚介の豊富さのために筆者の永らくの愛用スーパーになっている。建屋の年季が入ったくすんだコンクリートファサードには、漢字で“永和”と、まるで次の次の日本の元号のような文字が掲げられる。これがおそらく中国人用の店名だろう。正面右側の入口を入ると右手に旅券チケット屋コーナーのようなものがある。

 

 

②杨掌柜の粉面菜蛋

そのチケット・コーナーを素通りし、向かって一番右の列がビールとカップ麺の列であるから、筆者の足は自然とそちらへ向かう。カップ麺コーナーを軽く流し目で確認すると、いつもと毛並みの違う商品が鎮座するのにすぐに気がついた。気が付かざる負えない風貌をしている。エースコックのスーパーカップとほぼ同型のカップは、ほぼ黄色一色で、正面にデカデカと『粉面菜蛋』とのみ書かれている。あまりにシンプルなデザインで、中身の想像が全くつかない。思わず手に取って上面の蓋を確認すれば、そこにも情報がほぼない。

 

 

③上面蓋のデザイン

上面蓋もほぼ真っ黄色(上部に少しだけ白と赤の帯模様があるのみ)で、大きく“粉面菜蛋”と商品名があるほか、右側には道着を来たような人がハイキックをする赤い影絵が描かれている。どうやら功夫(カンフー)を模した影絵のようで、下には“中国功夫・揚我国威”といった功夫(カンフー)を礼賛するナショナリズム風な漢詩が正確な枡目の中に記載されていて空恐ろしい。“もう買うしかない”と思い、買い物かごへ放り込んだ。

 

 

 

④杨掌柜を開けてみる。

長屋へ戻り、おそるおそる杨掌柜の粉面菜蛋の上蓋を開ければ、シンプルな装丁とは裏腹に中にはたくさんの小袋がある。乾燥かやく、粉スープ、液体スープ、そしてお酢のような透明な液体の小袋、それに黄色いレトルト・パウチに入ったエノキが珍しい(気味が悪いほどのリアルなエノキの画が描かれている)。そしてその小袋群を取り出すと、そこには麺が、麺が二種類ある。一般的な安いカップ麺にあるスナック菓子風の小麦麺と、春雨のような透明の麺が、それぞれビニル梱包されて大きなカップの底に居座っているのだ。これは珍しい。よく見れば“杨掌柜”と行書体のロゴの下に“粉面合一”と記載がある。これが“二つの麺が合わさった”というメッセージのようだ。

 

 

 

作り方の記載はどこにもないので、長年のカップ麺生活で培った知恵をもとに液体スープと酢以外を取り出して熱湯を注ぎ、4分待ってから蓋を全開して液体スープと酢を入れてよく混ぜる。スープは酸っぱさと辛さが交わる濃厚味で、なかなかパンチがあって美味い。麦麺の質はいいとはいえない、いわゆる安いジャンキー麺だ。(たぶん)米麺とエノキ(熱湯で膨張して存在感がある)はツルツルの食感で春雨風だ。全部麦麺だとジャンク臭が強すぎて食傷気味になるし、全部米麺だと物足りないだろうから、つまりネガティブ要素を薄める意味で、混ざっていることに価値があるように思われる。相乗効果は正直あまり感じない。この杨掌柜の粉面菜蛋、ユーチューブで中国本土で作られたと思われる動画でも紹介されている。それを見れば中国本土バージョンはエノキではなく燻製タマゴが入るようだ(蛋はピータンのタンである)。どうやら本土でも珍しいものとして紹介されているように見えるので、ついに『北米大陸に上陸!』ということだろうか。今後の展開を注視していきたい。注視といえば、2024年の10月、岸田政権が終わり石破政権になった。

 


エダ豆

2024-09-28 13:30:01 | 食材

エダ豆とは、成熟前の大豆のことである。さやに入った状態のまま塩ゆでにするとたいへん美味とされ、とくに夏の暑い盛りのビールのつまみとして関係各所から認められている存在である。やや毛羽だったさやを指で押せば“ポロリ!”と剥き出る小指の爪サイズの豆は、当に“人間に食べられるためのマメ”と勘違いさせるほどの具合の良さがある。今回は北米におけるエダ豆事情をここで紹介したい。そう、食材企画である。2024年も早くも秋が近づき、日本では“ポスト・岸田”を決める自民党総裁選が佳境を迎えている。

 

 

この食材の特長が以下のとおりだ。参考にしてもらいたいな。

 

 

 

①EDANAME

実は北米では、エダ豆は日本食の定番メニューとして広く認知されている。だから日本料理屋へ入れば必ずエダ豆がある。スパイシー好きな中南米の人々のために、茹でたエダ豆をニンニクと唐辛子で和えた、“スパイシー・ガーリック・エダマメ”なるお下品なメニューを見ることも少なくない。そしてなんとエダ豆は、 英語でも“EDANAME”と呼ばれる。日本語がそのまま英語になっている珍しい単語のひとつなのだ。

 

 

 

②大豆の歴史

しかしエダ豆は、“SUSHI” や “WASABI” や “TSUNAMI”、そして“Karoshi”ほどには、日本を代表している単語とは言い難い。と、不可思議に思い、大豆について調べてみた。ウィキペディア氏の出番である。我々ニッポン人にとっては醤油・味噌・おから・豆腐・豆乳・湯葉・鬼退治などと、非常に汎用性が高く、国を代表する食材(武器)といっても過言でない大豆であるが、それは永らく東アジアのみの食い物であり、世界に広まったのは20世紀初頭のことだという。広まった当時も食材というよりは肥料や飼料目的の傾向が強く、おおよそ“ニンゲン”の食べ物とは認知されなかったようだ。エダ豆が今、北米でEDANANEなのは、そういった背景があるようだ。ちなみに戒律によって食肉の扱いに慎重なイスラム教徒などに、大豆は昨今人気の食材となっているそうだ。

 

 

 

③冷凍枝豆

とはいえエダ豆は日本料理屋以外ではあまり目にしない。北米のスーパー・マーケットの生鮮食品コーナーでエダ豆を見ることはなく、主に冷凍食品として袋詰めにされて売られているのが現状だ。筆者は冷凍食品に頼らない独身日本式サラリーマン生活を送っているため、駐在生活10年を過ぎたというのに、エセ日本料理屋でしかedamameを食べたことがなかったのである。それが、2024年8月のアラスカ旅行のおりに立ち寄った“ニュー・サガヤ”でたまたま見つけて買い求め、気に入ったのだ。出会いは常に無限に広がっているのに、常にその多くを自分で閉ざしている。

 

 

日系や東洋系スーパーの冷凍コーナーには様々なメーカーのエダ豆がある。それを買い求る。雪平鍋で湯を沸かし、沸騰したところへ放り込む。冷めた湯が再度沸騰しかけたときに素早くザルに上げる。塩で揉んだり氷水で冷やしたりといった上等な真似はせずとも、それだけで美味い。日本人は“エダ豆は美味い”という遺伝子を持っているのではないだろうか・・・と思うほどに、何も味付けせずとも幸福を感じ、ビイルや日本酒をおかわりしてしまう。そのとき筆者は、“理性などは、所詮妄想なのではないか”とふと思うのだ。ニンゲンがヨクボーを抑えて生活しているのは、リセーの存在ではなく、それもホンノー(生存のための知恵)なのではないかと思うのだった。