美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

口コミとスマートフォン

2012-01-25 15:00:28 | Weblog

先日、飲食店の口コミを紹介するサイトで、訪れた客を装い偽のコメント載せることで店の評判を操作した業者が摘発されました。既存のメディアは、スポンサーの意図が反映された広告に過ぎないと、同じ目線で評価した口コミ情報がより信頼できると考える人々の支持を得て、このような口コミサイトは多く生まれ、利用されています。今回の事件は、匿名の口コミという形を利用した情報操作と言えますが、一方、様々な情報が溢れる時代の中で、私たちがそれらをどう受け止め評価すべきかを考える機会かも知れません。ネット情報においての多様性と俊敏性は大きな特徴ですが、もう一つの特徴である情報発信の容易さ、特に匿名である場合 その情報に対する信頼性の評価は最終的には自己責任であることを改めて認識すべきです。

今回の問題に限らず、様々な問題点はあるとしても、インターネットは、今まで幾つか限られたマスメディア中心で、ある意味一方的とも言える情報のあり方を大きく変えました。そしてそれは年々少しずつ形を変えて私たちの生活に影響を及ぼしています。韓国では電話機能を持つパソコンとも言えるスマートフォンの利用者が2000万人を超えました。それ以前からパソコンでSNS(ソーシャルネットワークサービス)やツイッターなどを使いこなす人々が、スマートフォン用の韓国発アプリケーションである「カカオオトーク」を利用して新しいコミュニケーションンスタイルが浸透しています。このアプリは、スマートフォンを持っていれば、ログインなし国内外問わず複数と無料で、チャットなどのメッセージ交換が簡単にできるサービスです。友人、会社同僚やその他のグループの中での連絡、情報交換が、空間、時間という制限を感じずに瞬時に可能になりつつあります。

ネットによる迅速で多方面からのニュースや情報に対して、新聞などジャーナリストの取材や専門家や分析による解説は、決して相反するものではなく、正しくメデイアを利用する為に両立できるものであると考えます。さらに、SNSや「カカオトーク」などのコミュニケーションサービスは、議論し検証する手段として「口こみ」をマスメディアに対抗できるところまで進化しようとしています。

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黒龍の行方

2012-01-21 11:14:34 | Weblog

2012年が幕開けしました。十二支は辰年ですが、干支で言えば「壬辰(みずのえたつ・じんしん)」です。十干の「壬」は黒色に対応するため、‘黒色の辰’即ち‘黒龍’の年ということで、韓国では60年に一度の運気の強い年と考えています。デパートなどでは、黒龍の財布、貯金箱、その他関連商品が売り出され、その運勢にあやかろうと多くのお客で新年より賑わっています。また、その年に生まれた子供は出世すると考えられているのか、「黒龍ベビー」を望む夫婦が産婦人科の門をたたくケースも増えているようです。

十干は東洋哲学でいうところの陰陽五行説を基にしたものですが、その「壬」と十二支の「辰」を組み合わせて解釈すると単純に「景気、運勢が良い。」とばかりは言えないようです。壬辰は、「大きな流れの中で激しい変化が起こり、それを受け入れて新しい仕組みつくる基礎となる」時期と捉えています。つまり今年は、否応なく変革が起こりうる為、変化を恐れず、強い力でそれを受け入れ乗り越えてこそ次の年、時代を築くことができるということでしょう。実は420年前の壬辰の年には、朝鮮半島では豊臣秀吉による朝鮮侵攻(壬辰倭乱)を受け、その後7年にわたる国難の末、新しい時代を迎えた経験をしているのです。世界情勢を見ても今年は、アメリカ、中国、ロシア、フランス、韓国、台湾などで政治的リーダーの交代が行われ、経済的にもユーロを中心とした大きな変革が予想されています。昨年末の北朝鮮指導者の突然の交代から既に、朝鮮半島では「壬辰」が始まっていたのかも知れません。

 

今日本は未曾有の自然災害と共に、人災とも言える原発問題を抱え、信じられていた安全神話が崩れていくのを感じています。本当の意味で、変革を受け入れ対応していく覚悟が必要な時です。医局の先輩で、現在 福島県立医大の教授をしている先生から葉書きを頂きました。その中で「人間が一生のうちに経験する幸福と不幸は、同僚であると考えます。今回 甚大な被害を受けた福島の人々は、これからは大きな幸福がまっていると思います。」と書かれていました。私もそう信じます。

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