美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

勝ち組、負け組

2009-12-30 14:30:48 | Weblog

 

勝ち組、負け組

 女子大生数人が集まり、気ままにおしゃべりするという韓国のトークショーで、一人が‘身長の低い男性は、社会のloser(負け組み)である。’と言った発言に対して、ネット上非難が相次ぎ、その学生、大学、がサイバー攻撃に苦しめられ、テレビ局は差別発言ということで、損害賠償まで請求される事態になったそうです。日本でも同様な番組は多くあると思いますし、面白おかしく誇張した表現や、相手を揶揄するような発言も見られますが、ここまでの反響は、韓国の普及したネット社会と 外見、容姿に対する関心の高さ故でしょう。

 この学生は、台本通りに話しただけであると弁明しているそうです。確かにloser(負け組み)と言った表現は、ある意味興味本位に脚色した観がありますが、身長に対するこだわりは、正直 本音ではないかと思います。韓国の就職専門サイトのアンケートで、女性が恋人或いは配偶者として男性を選ぶときに外見の中では、‘身長’が73.8%で第1位、そして2位、3位が‘顔’‘ファッション’でした。また、もっと衝撃的?なものが、決して譲歩できない条件の1位がやはり‘身長’(39.1%)とあります。勿論 この結果が全ての韓国女性の価値観をあらわす物ではありませんが、身長に対するこだわりは男女ともに強いのは確かでしょう。この番組の発言に関するやや過剰な反応も、気にしていることだけに激しかったという事でしょうか。私が若いころ韓国に留学していた時代、周囲の友人たちの身長に対する自己申告にしばしば首をかしげた記憶があります。明らかに私より背が低い彼が、数センチ高い身長であると公言するのです。当時は、もしかして韓日で身長の測り方が異なるのかと真剣に考えたものでした。今考えると若干見栄の部分がプラスされていたのですね。

 しかしここで、幸せな結婚生活を望む女性たちにこんなレポートを一つ。ドイツとアメリカの大学の調査で、「背の高い男性は妻以外の女性と間に子をもうける割合が高く、離婚率も高い。」

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青春のシンボルと言われても

2009-12-10 13:41:51 | Weblog

 

青春のシンボルと言われても

 よく患者さんに、「韓国の女性は肌がきれいですね。」と言われます。実際に皮膚の状態を国、民族別に比較解析した文献やデーターがあるでもなく、また 美肌というものにはっきりした医学的定義もないため明言できませんが、肌の質感、透明感、滑らかさなどの部分で、韓国女性の肌の平均値は高いと感じることはあります。感覚的には 東北美人、博多美人と言われるような地域的な美肌美人に近いでしょうか。キムチのカプサイシンやニンニク効果であるとか、アカスリ効果であるとか、はたまた体質的なものなのか等々、一度詳しく研究してみたいテーマです。 ただどの国、どの地域の人でも肌に対する相談が多いものの一つがニキビです。よく‘青春のシンボル’などと甘酸っぱい思春期の思い出のように語られることがありますが、当人にとっては深刻な悩みであり、母親と一緒に来院した男子中学生は、そのため 登校拒否にまでなったと言うケースもありました。その他にも死にたいくらい悩んで、皮膚科に受診しても同様に‘青春のシンボル’程度の扱いで、とりあえずの抗生物質やビタミン剤の処方とともに 「よく洗顔しなさい。」で、所謂 ‘ニキビ難民’は意外と多いようです。ニキビは命に関わる病気でないことと、ホルモンや体調の崩れなどから悪化しても、自然に治癒すると言うイメージから軽く見られているのかも知れません。もしこの記事の読者やお知り合いの中に、やはり吹き出物や、ニキビ、乾燥で悩んでいる方がいらっしゃったら、むしろ洗い過ぎていないか自問してみてください。肌の役割の一番大きなものは、バリアー機能です。そしてこのバリアー機能を維持しているものが 肌の表面に形成される皮脂から形成される皮膜層です。強い洗顔剤、クレンジング剤などは、化粧品や汚れのみでなくこれらの層を溶かしてしまう可能性もあり、肌の抵抗力を落とすだけでなく、乾燥によりむしろ 毛穴からの脂の生成を活性させている可能性があります。一生懸命洗顔した結果、かえって乾燥、敏感肌と毛穴の詰まりを起こしているかもしれません。某大学の皮膚科教授が浮浪者の肌を調査したところ、非常にきめ細かく健康な肌であったことに驚いたというものがありました。これは極端な話ですが、皮膚ケアーに関する考えかたの重要な一面とも言えるでしょう。

 

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韓国は美容整形大国と呼ばれて

2009-12-02 17:05:10 | Weblog

 

美容整形大国と呼ばれて

 

 

逃亡中の容疑者が美容外科手術を受けて、顔を変えていたと言うニュースが話題になりました。勿論、これは美容外科の本来の目的とは程遠く、美容医療とは言えないものです。しかし、美容整形に関してのマスコミなどでの一般的な扱いは、いまだに、やや嘲笑するような、興味本位の表現が圧倒的に多いのも事実でしょう。特に韓国に対して、‘美容整形大国’と呼ぶときには、それは美容医療の水準の高さを指すものではなく、多分に、誰でも整形する国といった揶揄的表現であるような気がします。

 

 韓国人が日本人に比べて、美容治療に対して、より積極的であるのは事実かも知れません。そこには、外面を重要視する価値構造と、思ったことをダイレクトに表にだす言動、それが美醜に対してもそうであることなどが影響しています。そして外見に関しても内面同様努力して得られればよしとする国民性があると思います。 しかし 日本人の男性が、「外見は重要ではなく性格である。」「顔やスタイルより心が大切だ。」と言ったとして、それを100%鵜呑みにする人はいないでしょう。内面が重要なことは当然としても、人の心のうちや内部を判断、評価することは簡単ではありませんし、少なくとも「性格が同じなら綺麗なほうが良い。」というのが本音ではないでしょうか。また「親から貰ったからだにメスを入れられない。」も痣や、体表上のコンプレックスで本当に悩んでいる当人にとっては、外見は関係ないという建て前のみの社会でない以上、むしろ残酷な言葉とも言えます。美容外科、美容整形といっても現在様々な種類、技術があります。注射やレーザーによる治療も、メスを使わない低侵襲の技術としてかなりの効果が期待できるものもあり、信頼できる専門医のもとでなら、むしろ怪しげな美容法や化粧品、美容機器よりも安全とも言えます。

 

最近某大学の美容センターの講師として若い医師や学生の指導をする機会も増えた中、まず美容医療に対する世間、そして同じ医師の中でさえ誤解が多いことをまず切実に感じます。美容医学は、それを必要とする人たちに対する‘質の医療’です。それだけに適応と安全性を示さなければいけません。美容医療観光を制度化し、国策として推進するアジア諸国の中 韓国は美容医療をその目玉と考えています。量ではなく質で評価される‘美容先進国’であってほしいと思います。

 

 

 

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