美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

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企業のアイデンティティー?

2015-08-25 15:37:42 | Weblog

日本では今年の春頃に老舗家具大手の大塚家具で起きた創業家父娘の対立劇が話題になりました。勿論、株主や関連会社にとっては経営権の行方や会社運営方針は直接利害に影響する重要な問題ですが、一般の人々にはお金持ちの家族争いという感覚であり、メディアもワイドショーのネタとして面白おかしく取り上げた印象です。一方、昨年末より伝えられるロッテ創業者の長男、次男間で繰り広げられる経営権争いは、韓国社会の様々な要因を内包することでより高い関心を持って注目されています。

日本では‘お口の恋人 ロッテ’としてガムをはじめとした大手菓子メーカーとして知られるロッテですが、韓国でロッテグループと言えば食品から流通・建設・石油化学・金融まで、韓国経済で大きな比重を占める財界ナンバー5の財閥企業であり、その売上高は日本の15倍以上になります。一代でロッテをここまでに育て上げた創業者の辛格浩氏(シン・ギョクホ=日本名・重光武雄)は在日一世として韓国では立志伝中の卓越した経営者でありますが、さすがに92歳という高齢による衰えは免れません。また日本を長男に韓国を次男に任せ、自分自身は総括会長として統合するスタイルも両国企業がここまで規模の格差が生まれると難しいでしょう。ただ今回は、そうした財閥の経営世襲問題とは別に、日本で創業したロッテがその資本やノウハウを基に韓国で成長した経緯に対して企業の国籍、アイデンティティーを疑問視し、日系企業に支配された韓国財閥といった視点で不快感をもって捉える韓国世論があります。ワンマン創業者のもと、小さな商店から大企業に成長した会社が旧態依然の構造を持っている点を指摘されるのはやむを得ないですが、家族の国籍、血縁関係に注目し、日本社長が韓国紙のインタビューに日本語で応対したことを問題視するのは、親日か反日かを問うような感情論が混在しているように思います。1970年代後半に韓国政府の要請でソウルの中心にロッテデパート、ホテルが開業し、日本式のおもてなし精神に韓国の合理的なスピード感を融合させることで韓国サービス業の発展に大きく貢献してきた事実は誰も否定できないでしょう。

多くの企業家達,特に自分の代で大きくした会社を誰に任せるかという問題には頭を悩ましています。ホンダの創業者本多宗一郎氏は、常々血縁や学歴は社長の条件に関係ないと公言していたとおり、65歳の若さで当時45歳の生え抜きの社員を社長に任命し勇退しました。しかし、実際は、息子の博俊氏はホンダには入社しないものの、ホンダにレーシングエンジンを提供する株式会社「無限」を設立、社長に就任します。その後、ホンダから出向していた社員が博俊氏の名前を使い、数十億円の不正流用、脱税事件を起こしたことで社長の博俊氏は逮捕され、刑務所に収監されることになりました。結果的には、譲らなかったことが正解であったと言えるのか、或は帝王学をしっかり叩き込んで企業としてのアイデンティティーも継承させるべきであったか、やはり難しい選択です。

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