美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

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あの世とこの世

2010-08-30 17:01:39 | Weblog



あの世とこの世

韓国でお墓といえば、一般的には、土を山のように盛った土饅頭の墓です。儒教における死の概念として、人は死後、魂と魄(はく)に分かれ、魂は天に昇り、魄は地に降りるとされていました。そこで、魂は位牌に祭り、遺体は土に埋めて土葬にしました。死後も生前と同じように生活すると考えたためです。韓国の土葬文化は、儒教思想の強い 李氏朝鮮時代から始まり、現代まで続いています。それ以前は仏教の影響から 火葬が主だったようです。

一方、土葬による広い土地を必要とする墓の増加から、国内の墓地面積が増加して、1999年には国土面積の1%に相当するほどにまでなりました。これは、総宅地面積の50%で、国土が墓で埋め尽くされると言われるほど深刻化しました。そこで1990年代後半から行政が積極的に墓地問題を検討、政策化し、共同墓地や火葬納骨を推進したことで、7割を超えていた土葬が今では、半分以下に減少しています。しかし、今でも火葬施設の不足の他、共同墓地に確保など火葬した後の納骨の問題など、葬儀に関する多くの問題が残されているようです。このような新しい葬儀文化の流れは、儒教習慣や山水思想の面から、抵抗感も根強くある半面、徐々に人々の意識的変化も進み、首都圏住民の10人に7人が、自分や親が死亡した場合、遺灰を山や海に散骨するか、納骨堂におさめると答えています。

生物的な死が訪れても、魂は永遠に存在し続けるならば、墓は当人にとっては、どんなに立派であっても、それほど有難い住みかではない気もします。むしろ、残った人たちが故人を偲んで集い、想う場所、象徴としての意味合いが強いのでしょう。職業上、普通よりは人間の産、育、病、老、死に接し、向かい合う中で私が感じたのは、精一杯生命活動をした後、肉体的な死を迎えたとしても、それは新しい生命をこの世に迎えるためのサイクルの一つで、決して終りではないであろうと・・・。 対馬海峡で愛する娘さんの手によって撒かれる つか こうへいさんの遺骨も、きっと新しい韓国と日本の命の糧となることでしょう。

 
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多民族文化の可能性

2010-08-18 12:06:39 | Weblog


多民族文化の可能性


 約1ヶ月間にわたり、韓日の多くの人々にも、興奮と感動を与えてくれたワールドカップもスペインの優勝で幕を閉じました。今回の出場チームの中で、個人的に強く印象に残ったのは、大会前は優勝候補の筆頭に上げる専門家も多かったイングランドや、我ら韓国代表には圧倒的な個人技で圧勝した同じく優勝候補のアルゼンチンに、統率の取れた守備とスピード溢れる攻撃力で4-0のスコアーで完勝したドイツチームです。惜しくも順決勝で敗退しましたが、堂々3位となりました。スポーツニュースではゲルマン民族の底力などと表現しているものもありましたが、実は今回のドイツ代表の半数近くが移民背景を持つ、ドイツでは「M世代」といわれる選手たちだったのです。両親の出身国では、トルコ、ポーランド、セルビア、ブラジル、ナイジェリア、ガーナ、チェニジアとまさに多民族連合軍といってよい程です。

かつてナチス・ドイツの時代、ゲルマン民族の優秀性を守るという名目で、偏った‘優生学’を推奨し、ユダヤ人や障害のある人々迫害した歴史がありました。そもそも優生学のはじまりは、イギリスでダーウィンが進化論を提唱した後、その学問的弟子たちが、生物の進化の過程に‘人間の淘汰’という概念に結びつけたことから生まれました。当初は、学問的な意味のみで、障害者差別や人種差別などを肯定するものではなかったものが、世界恐慌の中、移民者、外国人に対する不満や、働けない弱者に対する経済負担の軽減を掲げて、優生思想が利用されるようになっていきました。しかし今、ドイツは人口の一割近くが外国籍となり、10年前からは、国籍法を血統主義から出生地主義に改正しています。その結果が、今回の代表チームの多彩なメンバーに反映されたのでしょう。

生物学的には、単一種や限られた種の中での交配よりも、混血のほうが多様な性質の子孫が生まれやすく、それゆえ 様々な環境の変化に適応し、進化しやすいとも考えられます。勿論、人間社会、国というものに対して、単純に進化や遺伝を結びつけることはできませんが、単一民族とか純血主義という言葉が、一部の統治者によって別の意図の為に利用された歴史があることも事実です。


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