美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

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○○らしい顔

2013-04-17 18:09:16 | Weblog

 

 休日に子供の友達が家に遊びに来ました。あとで子供からその友達が私を見て「いかにも医者らしい」と言っていたと聞きました。あらためて自分の顔を鏡を見ると、服装はさえない室内着のうえ、髪はぼさぼさ、朝遅く起きたせいか、腫れぼったい目をした、典型的なしまりのない中年男の顔(これはいつもですが!)がそこにありました。果たしてこの何処が医者らしい顔、姿なのかと頭を捻るばかりです。単純に考えれば、子供の友達は私が医者であることを知っていることから、イメージのバイアス(先入観、思い込み)があるだろうことです。しかし実は、そのように言われるのはこれが初めてではありません。もしかすると子供の友達が頭に浮かべる医師像というものが、ある程度一般的なものであり、二十数年の医者としての生活が、私の容姿や印象に何らかの「らしさ」を形成してきた可能性も考えてみました。

 顔学で知られる原島博東京大学名誉教授の研究で、職業別の平均顔というのを調べたものがあります。例えば、東大生男子の顔の写真を、どんどん重ねて画像処理していくと、顔の形、ライン、大きさは数が増えるごとに平均化していき、最終的には東大男子学生の平均顔ができてくるわけです。これを全く異なる職業である銀行員、政治家、プロレスラーの顔で作成してみました。平均顔ですから、母数が多くなれば、たとえ職業が異なっても似たような顔になって不思議ではありませんが、実際は明らかに異なる顔、それも、いかにも「銀行員らしい」、「政治化らしい」、そして「プロレスラーらしい」顔が出来上がりました。この結果は、やはり顔つきで職業を選択したというより、その職業に就くことで、徐々にその職業らしい顔になってきたのだと考えた方が自然でしょう。自分の顔は生まれつきである反面、その後の環境や行動により変化して作り上げていくものだともいえます。

 海外でも平均顔の調査は行われています。人種ごとの平均顔を作成した資料を見るとアフリカ、南米、欧州、中東というようなカテゴリ―は勿論、国ごとの平均顔もあり、中国人、韓国人、日本人の平均顔もありました。確かに、「○○人らしい」といえる微妙な違いは観察できましたが、職業別平均顔ほどの差はむしろないように思います。私たちが他人の顔をみるとき、実際は自分の心を通してみる別の何かかも知れません。

 

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