美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

七夕あれこれ

2013-08-20 12:21:42 | Weblog

 

 梅雨がいつ終わったのかと実感する間もなく、いきなりの猛暑で寝苦しい夜を過ごしている方も多いと思います。微力ながら節電に協力という気持ちと、元々冷房が苦手であるというところから家ではクーラーはなるべく使用せず、やせ我慢の日々です。ところで暖寒は別として、昔から慣れ親しんできた季節々の趣が実感しにくいと感じるのも事実です。近年言われる気候の地球規模の変化がその要因でしょうが、月々の行事を疎かにしてきている風潮もあるかも知れません。7月と言えば「七夕」。私自身は勿論、子供たちも大きくなると短冊に願い事を書いて竹に飾ることもなく、暦の上で確認する程度になってしまいました。

 日本における「七夕」の由来は、日本古代からの来訪紳信仰の一つである「棚機津女(たなばたつめ)」の行事に、中国から仏教の伝来と共に伝わった西王母伝説(せいおうぼでんせつ)にまつわる星祭だった乞巧奠(きっこうでん)が合わさって、現在の形になったと考えられています。西王母伝説には織女(織姫)と牽牛(彦星)が登場する物語ですが、日本で今伝えられている内容は少し変化しているようです。現在日本に伝わる内容では天の川の両岸の住む二人は愛し合い、西王母の許しを得て結婚をしますが、余りにお互いに夢中になる余り、織女は機を織らず、牽牛は牛を飼わなくなってしまいます。非常に怒った西王女は、織女を天の川の東側に連れ戻し、年に一度7月7日のみ会えるようにしたというものです。中国に残っている話も地域によって様々あるようですが、二人が一年に一度しか会えなくなった理由は、7日に1度会えるという言葉を7月7日だけ会えるとカラスやカササギが誤報したことが原因というものがよくあります。

 韓国に伝わる七夕(チルソック)伝説にもやはりカラスやカササギは登場しますが、むしろ川を渡って二人が会えるよう集まり、自ら橋の代わりになるというところが異なります。一転悪役からヒーローですね。また韓国では七夕の日に雨が降るのは、二人が会えてうれし涙を流すからだと日本とは反対です。今年の七夕は東京はおおむね晴れでしたが、夕方ににわか雨がありました。どちらの国でも二人は無事に会えたようです。

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肩こり考

2013-08-20 12:20:49 | Weblog

 

 最近人並みに‘肩こり’という症状を実感しています。職業上、当然といえば当然ですが、長時間集中して細かい動作をすることが多いことに加え、年初から学会の準備に、依頼された論文と重なり私の‘弱(やわ)肩’もついに悲鳴を上げたようです。しかし、周囲を見渡すと諸先輩の医師からまだ若い看護師さんまで実に多くの人が肩こりの悩みを抱えていることに気づきます。むしろこの年まで意識せずに来た私は遅ればせながらの仲間入りと言えるかも知れません(喜ぶことではありませんが・・・)

 日本人の国民病とまで言われる‘肩こり’ですが、実際 成人の7割から8割がこり症状を経験しているという報告を見ると満更大げさではないようです。確かに「肩が凝る」という言葉は明治の文豪 夏目漱石が小説「門」で使用したのが初めてと言われますが、それ以前は「肩こり」自体がなかったわけではないでしょう。しかし外国人に英語や他の言語でこの「肩こり」を説明しようとすると意外に容易ではないことを実感するのは、単純にぴったり当てはまる単語や言語的な表現の問題だけではなく、人種による筋骨格構造の違い、生活習慣や文化的な違いから肩こり症状が発現し易さが異なるとも考えられます。日本ほどではないにしろ体格や生活習慣、環境因子が似ている韓国ではどうかというと、オケ(肩)がキョルリダ(引きつって痛む)、オケがポグナダ(重苦しい、だるい)などの表現は比較的よく使われるところから、やはり日韓では近い感覚があるようです。ただ、日本に来て「肩こり」という言葉を知り、かつ周囲にそのような症状の日本人が多いことから、いつの間にか自分も肩が凝るようになった?という韓国人の話を聞くと、肩こりに関しては日本の国民病という地位はいまのところ不動かも知れません。

 肩こりは、直立歩行をすることで、人類が重い頭を支える首、肩の骨、筋肉への負荷が掛かるようになったため起きるものです。特にデスクワークなど長時間一定の姿勢を続けることが多い現代人の文明病ともいえます。しかしスマホの普及率世界一となった韓国が、若い人を中心に肩こりが増加している状況は気になります。

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