健康神話について
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人間、健康が大切であると言うことに異論を唱える人は少ないでしょう。ただ、健康であるとはどのような状態なのかは、実は曖昧なのかもしれません。日本の平均寿命は、82.6歳と世界一です。また、介護を必要とせず、自立した生活ができる期間を表す‘健康寿命’も75歳でやはり世界一です。韓国はというと、平均79歳で193ヵ国中28位、こちらも比較的上位です。どちらも世界的には、健康で長寿の国と言えるでしょう。しかし、自ら「自分の健康状態は良い。」と考える成人の割合は、韓国人は47%、日本人に至っては僅か33%に過ぎません。アメリカやカナダ人は88%、他の国々も70%前後なのに比較すると、少し異常です。(2009年 OECD報告)これは何故でしょうか?
一つの原因として考えられるのは、日本の一般化した健康診断が影響していると考えられます。職場や市町村で定期的に行われる検診、個人的や会社、団体での人間ドッグなど、年間何百万人が受ける様々な検査で、全てに‘異常なし’という判定がでる割合は、10%以下であるというデーターがあります。逆に言えば9割以上が何らかの異常値を示し、「完全な健康ではない。」と判定されてしまうのです。そもそも90%が異常であると判断される基準値とは何でしょうか。さらに最近はメタボ(メタボリックシンドローム)という判定基準まで生まれ、小太りの人さえ不健康として、減量を進められます。痩せている人よりやや小太りの人のほうが、平均寿命が長いことは、世界的にも医学的常識となっているにもかかわらずです。
健康診断が悪いと言うわけではありませんが、厳格すぎる検査基準の数値に、一喜一憂することと健康の意味とは隔たりがあるような気がします。検査の項目で、平均寿命に関して、その有用性がはっきり認められたものは、喫煙と血圧測定だけであるという厚生省研究班の調査結果もあります。世界中にある高度医療機器の何割を持ち、インフルエンザと言えば、世界中から抗ウイルス薬のタミフルやワクチンを集めようとする日本の医療体制の中、健康に対する不安だけは消えることはないでしょう。100%の健康、完璧な医療を求めれば求めるほど、心の不健康者は増えるのかも知れません。
アジアン美容クリニック