中之島教室「週末に楽しむ絵画」教室からお知らせが届きました!
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第70回関西水彩画展がはじまり、「週末に楽しむ絵画」教室の成果は昨年、一昨年と好調を維持。
この教室の殆どの方がこの展覧会に出品されており、いい春の訪れとなりました
幸運があったこともありますが、何をおいても作品がよかったこと。これに尽きます。
100号(162×130㌢)というような大きな作品になってきますと、いつもの習作と違って、
見たものをそのままに描くだけではなく、絵をつくること、何を描き、絵で何を伝えたいのか・・・
こうしたコンセプトから始めなければなりません。先ず自分をしっかり確立し、
こうした地道で厳しい努力を積み重ね、始めて結果がついてきます。
進級するにつれ、ハードルが高くなります。心して存在感のある絵を目指し、
しっかりと歩んで行ってほしいと思います。
皆さんの作品は以下の通りです。
会員 浅野哲夫さん CONTAINER (F100号)
今迄は錆だらけの「滅び」の美を追求したコンテナばかりでしたが、
今回は現役バリバリのコンテナの登場です。
規則正しいシンメトリーな構図やこの暗号のような文字は、見る人に
扉の向こうを問いかけています。これはノアの方舟の現代版とでも
言える未来へ向けて積み込んだ「平穏」かもしれません。
この問いかけは続いていきます。
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
会員 天野紀美恵さん 街 (P100号)
中之島から大川を隔てて見た大阪中心街の朝、昼、晩。世界に向けて
沢山の情報が発信され、大きなビル群は楽しく踊り、川面にその影を
浮かべています。よく見ると、川面は近くの和菓子屋さんの包装紙が。
細やかにそして大胆に街の情感を歌いあげています。
この独特の感性で描く、街シリーズはこれからどんな展開をするのか楽しみです。
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
会員 市川順子さん 蔵王堂 (F100号)
「向日葵の市川さん」と向日葵が代名詞でしたが、今回は吉野の「蔵王堂」。
丁度10年前、始めて一人で蔵王堂へ写生に。真正面から取り組んだのが
60回記念展の作品。その時はしっかり描けず、10年経っての70回記念展を機に、
もう一度チャレンジ。視点を定め、垂木、大斗などを一本一本奉納する気持ちで
描いたとのこと。疎かに描いてはいけないが逆に窮屈になってしまいました。
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
会員 柏 貴夫さん 3.11 忘れない (F100号)
あの痛ましい「3.11」から3年が経ちました。縮こまったまま桜は根こそぎに、
愛犬も濁流に飲まれ、取り残されたいたいけな少年。その澄んだ瞳には怖れはなく、
希望に向かってのまなざしが感じられます。
訪れ来るカラスのカー子、小首をかしげユーモラスなしぐさ。すっかり仲良しに。
この友情に支えられ、逞しく育って行ってほしいと願わずにはおれません。
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
会友 飯田哲子さん さようならK-dock(F80号) 会員推挙
100余年の歴史を持つK-dockは先年、会社更生法を申請し倒産。
今はひっそりと秋の陽の中に佇んでいます。見上げるような壁は鉄錆で赤く染まり、
ひたすら静かに眠っています。何回か写生に行ったこの思い出のK-dock。
尽きせぬ画趣に富み、操業の音と共に懐かしく思い出されます。
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会友 井上京子さん 想 (F100号) 会員推挙
ギリシャ神話のダフネーが出発点。エロースから相手を恋する「金の矢」に
射られたアポロン、それを疎む「鉛の矢」を射られたダフネーはアポロンの求愛から
逃れるために月桂樹に変身します。彼女の「真の想い」に想いをいたす作品。
抽象化されたことにより、より深い想いを感じさせます。
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一般 津村康予さん お・ん・な (変100号) 一般賞
「難しくてついていけないので、辞めたい」と入って間もない彼女から言われたのは
三年ほど前のことです。「じきに面白くなるから」と引き留め、新聞紙2枚を合わせた
大きさで等身大を始めた途端、突然変身。用紙を床に置いたりして見事な描きっぷり。
絵からは楽しさが一杯に伝わってきます。
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会友 三浦 繁さん DOCK黄昏 (F100号)
倒産、消えゆく神戸ドック挽歌。入り組む頑丈な鉄骨は長き歴史を偲ばせ、
空は燃え尽きて赤、そしてまた赤。使われなくなったウィンチには赤さびが浮き、
暮れゆく陽に赤く照らされています。初出品初受賞も、昨年の会友推挙作品も
3年続きにこのドック。「行」のように、ドックを描き続けています。
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会員 山村法子さん GRAFFTI (F100号) 会員推挙
GRFFITIは落書きの意。こうした街の片隅を伸び伸びと描くのは、彼女の
得意とするところ。教室でやった「段ボールを使って」を随所に取り入れ、
街をシャープに切り取っています。左上の少女の顔も段ボール、コンクリートの
段差も段ボール、至る所に段ボールが使われた作品です。
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同展は大阪市立美術館で、3月18日(火)~23日(日)まで開催されました。
追記:今回も会員・成川明子さんは病気のため、不出品でした。
この熱い想いが皆さんの成績を押し上げたように思えてなりません。早い回復を願っています。
(石橋新司)
数々の展覧会に入選者を多数輩出している「週末に楽しむ絵画」教室は、毎週金曜日18時から
ご見学もしていただけますので、お気軽にご連絡ください
お申し込み・詳細はこちらから
または中之島教室(06-6222-5222)まで
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第70回関西水彩画展がはじまり、「週末に楽しむ絵画」教室の成果は昨年、一昨年と好調を維持。
この教室の殆どの方がこの展覧会に出品されており、いい春の訪れとなりました
幸運があったこともありますが、何をおいても作品がよかったこと。これに尽きます。
100号(162×130㌢)というような大きな作品になってきますと、いつもの習作と違って、
見たものをそのままに描くだけではなく、絵をつくること、何を描き、絵で何を伝えたいのか・・・
こうしたコンセプトから始めなければなりません。先ず自分をしっかり確立し、
こうした地道で厳しい努力を積み重ね、始めて結果がついてきます。
進級するにつれ、ハードルが高くなります。心して存在感のある絵を目指し、
しっかりと歩んで行ってほしいと思います。
皆さんの作品は以下の通りです。
会員 浅野哲夫さん CONTAINER (F100号)
今迄は錆だらけの「滅び」の美を追求したコンテナばかりでしたが、
今回は現役バリバリのコンテナの登場です。
規則正しいシンメトリーな構図やこの暗号のような文字は、見る人に
扉の向こうを問いかけています。これはノアの方舟の現代版とでも
言える未来へ向けて積み込んだ「平穏」かもしれません。
この問いかけは続いていきます。
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会員 天野紀美恵さん 街 (P100号)
中之島から大川を隔てて見た大阪中心街の朝、昼、晩。世界に向けて
沢山の情報が発信され、大きなビル群は楽しく踊り、川面にその影を
浮かべています。よく見ると、川面は近くの和菓子屋さんの包装紙が。
細やかにそして大胆に街の情感を歌いあげています。
この独特の感性で描く、街シリーズはこれからどんな展開をするのか楽しみです。
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会員 市川順子さん 蔵王堂 (F100号)
「向日葵の市川さん」と向日葵が代名詞でしたが、今回は吉野の「蔵王堂」。
丁度10年前、始めて一人で蔵王堂へ写生に。真正面から取り組んだのが
60回記念展の作品。その時はしっかり描けず、10年経っての70回記念展を機に、
もう一度チャレンジ。視点を定め、垂木、大斗などを一本一本奉納する気持ちで
描いたとのこと。疎かに描いてはいけないが逆に窮屈になってしまいました。
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会員 柏 貴夫さん 3.11 忘れない (F100号)
あの痛ましい「3.11」から3年が経ちました。縮こまったまま桜は根こそぎに、
愛犬も濁流に飲まれ、取り残されたいたいけな少年。その澄んだ瞳には怖れはなく、
希望に向かってのまなざしが感じられます。
訪れ来るカラスのカー子、小首をかしげユーモラスなしぐさ。すっかり仲良しに。
この友情に支えられ、逞しく育って行ってほしいと願わずにはおれません。
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会友 飯田哲子さん さようならK-dock(F80号) 会員推挙
100余年の歴史を持つK-dockは先年、会社更生法を申請し倒産。
今はひっそりと秋の陽の中に佇んでいます。見上げるような壁は鉄錆で赤く染まり、
ひたすら静かに眠っています。何回か写生に行ったこの思い出のK-dock。
尽きせぬ画趣に富み、操業の音と共に懐かしく思い出されます。
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会友 井上京子さん 想 (F100号) 会員推挙
ギリシャ神話のダフネーが出発点。エロースから相手を恋する「金の矢」に
射られたアポロン、それを疎む「鉛の矢」を射られたダフネーはアポロンの求愛から
逃れるために月桂樹に変身します。彼女の「真の想い」に想いをいたす作品。
抽象化されたことにより、より深い想いを感じさせます。
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一般 津村康予さん お・ん・な (変100号) 一般賞
「難しくてついていけないので、辞めたい」と入って間もない彼女から言われたのは
三年ほど前のことです。「じきに面白くなるから」と引き留め、新聞紙2枚を合わせた
大きさで等身大を始めた途端、突然変身。用紙を床に置いたりして見事な描きっぷり。
絵からは楽しさが一杯に伝わってきます。
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会友 三浦 繁さん DOCK黄昏 (F100号)
倒産、消えゆく神戸ドック挽歌。入り組む頑丈な鉄骨は長き歴史を偲ばせ、
空は燃え尽きて赤、そしてまた赤。使われなくなったウィンチには赤さびが浮き、
暮れゆく陽に赤く照らされています。初出品初受賞も、昨年の会友推挙作品も
3年続きにこのドック。「行」のように、ドックを描き続けています。
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会員 山村法子さん GRAFFTI (F100号) 会員推挙
GRFFITIは落書きの意。こうした街の片隅を伸び伸びと描くのは、彼女の
得意とするところ。教室でやった「段ボールを使って」を随所に取り入れ、
街をシャープに切り取っています。左上の少女の顔も段ボール、コンクリートの
段差も段ボール、至る所に段ボールが使われた作品です。
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同展は大阪市立美術館で、3月18日(火)~23日(日)まで開催されました。
追記:今回も会員・成川明子さんは病気のため、不出品でした。
この熱い想いが皆さんの成績を押し上げたように思えてなりません。早い回復を願っています。
(石橋新司)
数々の展覧会に入選者を多数輩出している「週末に楽しむ絵画」教室は、毎週金曜日18時から
ご見学もしていただけますので、お気軽にご連絡ください
お申し込み・詳細はこちらから
または中之島教室(06-6222-5222)まで