☆フェアリーベルの暖輪室☆・・・♪京都風日和♪

時空のキラメキのなかで、感性を研ぎ澄ませ、
吹く風のままに・・・ちょっと不思議な話も・・・ 

月光の曲

2009-05-19 15:54:33 | 夢話

京都・大原から「鯖街道」を福井・若狭へ。
千の緑も深みを増し薄紫や白の山藤が咲き乱れる。
少し紫が濃い霧の花も美しい。
神戸在住の声楽家、友人のNさんがこれも旧知の
スウェーデン人のピアニストで作曲家のOさんを迎えて
若狭の新しくできたホールでコンサートを開くと言うので
緑の風を受けながら車で向かった。
 
滋賀へ入ると風景が少し変わった。
安曇川上流の景色も気持ちよく時々に「シャガ」の群生が見られる。
民家の庭には色とりどりの花が咲いている。
山深く建物も人も車も少ないがさすが売り出し中の「鯖街道」
とてもよく整備されている。
福井に入ると耕地整理された田んぼはもう田植えが終わっていた。
 
今回の「コンサート」はホール(若狭町)主催で
「芸術鑑賞教室」として地元のいくつかの小学校の
全校児童を招いて行われるという。
入り口を入ると大きいポスターのN響の菅原さん(フルート・ピッコロ)の
顔が目に入った。
6月にN響メンバーによる室内楽をこのホールでやるらしい。
 
バスや歩きで制服姿の小学生が次々到着。
まだ初々しい1年生らしい姿は制服が歩いているようで可愛い。
京都や神戸から来た我々は制服姿が珍しかった。

コンサートは、シューベルトの「野ばら」や「マス」等の
おなじみの曲や曲解説等を交えながらオペラ曲を中心に展開。
久し振りに聞くNさんのバリトンは
肩の力が抜けて柔らかさや軽やかさが増した感じで
とても良かった。
ジャンルは違うがジャズの日野照正や山下洋輔に近頃感じる
若い頃と一味違う「とってもいい感じ」と同質な良さを感じた。
 
後半の初めは、Oさん得意のピアノソナタ「月光」。
全楽章が聞けるという。
Oさんの「月光」を生で聞くのは2回目だが
スウェーデンも定評がありとても楽しみだ。
第1楽章の月光の降り注ぐ柔らかさ
特に2・3楽章の身体の芯に響く激しいリズム、力強さ
満ちてくる気迫と歯切れ良さに満足。
今回もとても素晴らしかった。
この「ソナタ」、「月光」と呼ばれるようになったのは
ベートーベンが亡くなってからという。
それも第1楽章に対してのみそう呼ばれている。
だから全楽章聴ける機会は少ない。
ちなみに交響曲第5番「運命」もこの例。
第6番「田園」はベートーベン自ら名付けたものだとか。
 
いい季節にいいホールでいい音楽。
(特に「楽屋」は至れり尽くせりでとてもいい)
そして懐かしい人たちとの再会。
月光の曲がいつまでも心に響いた。

                  
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