このあたり、勝山街道を走っているはずです。道幅も広く走り易いです。交差点で信号待ちをしたとき見上げると向こうに雪を冠っている山が見えました。あれは白山なんでしょうか?
この道、走り易いのは良いとして、信号も多くなってきます。もちろん、信号を守って走っていますが、目の前で赤になるといらっとします。立ち止まると次の走り出しが重たくなるからです。効率よく走りたいからなあ。横の道から車が全然来ないとなるとつい‥。 (スミマセン)
スキージャム勝山からくる国道157号線に入り、しばらく行くといよいよ国道と別れを告げます。見えてくるのは越前大仏です。
ま前を通るので記念撮影。しかし、人影がありません。流行ってないですね。
もう間もなく、50キロのはずですが、上りはさほどきつくありません。折り返しは最高地点300mのはず気を引き締めて走ると、平泉寺の境内の入り口で50キロです。
50キロ、1時間19分40秒。計6時間00分28秒。
すばらしい!50キロを6時間ですよ。このままなら後半の50キロはは1時間プラスして7時間、計13時間ぐらいかな。隠岐の島への夢が膨らみます。
この平泉寺の境内、急坂です。途中からもう全く走れません。でも、1キロ足らずですから、許す!道は急ですが、木陰の気持ちの良い道です。特にこの日は日差しが強いので涼風が吹いて最高です。下ってくるランナーと声を掛け合いながら折り返し地点に到達しました。役員の方の話では100番ちょっとぐらい。真ん中より前、上出来です。
ここのエイドで休憩、気合を入れて後半です。
まだ疲れていないというのが、何より素晴らしい!気持ちよく下って157号線と交差する猪野交差点まで来ると、「有田さん!」の声が‥。振り向くと中村秀勉さん、長男の妻実加ちゃんのお父さんです。中村さんは勝山の隣、大野にお住まいですから応援に来てくださったのです。ありがとうございました。
しばしお話をして、再スタートです。
このあたりがほんと調子よかったです。えちぜん鉄道勝山駅から脇道に入るのですが、景色もよく、写真のように木陰の中を走ります。
右手には勝山の恐竜博物館も見えます。白いドームがそれです。
60キロは1時間25分14秒。計7時間25分42秒です。
落ち出してきましたが、まだ想定内です。あとフル1本かあ。でも、ここから足が動かなくなりました。60から70は地獄でしたね。前へ進みません。今振り返って考えると、この時、12時30分なんです。涼しいとはいえ、直射日光は容赦なく降り注いでいます。暑かったんですね。声に出して「くそー」と叫びながら走っていました。また、道も狭くなってきて、歩道も狭い。走り難いことこの上ないです。
66.6キロの山王駅のエイドではトイレ(小)に行きました。もちろんほとんど出ないんです。気分転換です。ここでは、にんにくラーメンが出たんですが、食べきる元気もありませんでした。
やっとのことで、70キロ、1時間30分12秒。計8時間55分54秒。「キロ9分かあ。このまま落ちていったら、完走できるにしても、京都には今日中に帰れへんなあ」と覚悟しました。
「くそー」を連発しながら走っていると、数人のランナーと接近してきました。走ると速いけれど休憩所ではゆっりするというタイプのランナーだったようです。何とか集団を意識しながらついて走りました。
ついて走って九頭竜川に架かる鳴鹿橋を渡り、しばらく行った脇道にそれるところ(73キロぐらいかなあ)でその事件は起こりました。前を行くランナーも見ず、下を向いて進んでいると突然
「違いますよ!」という声がしました。振り返ると後ろの赤いウエアのランナーが声の主でした。
「そっちに行くととんでもないところに行きますよ」
進行方向を示す案内板を見ずに通過してしまっていたのです。10メートルぐらい進んでいました。
危ないところでした。丁寧にお礼を言って、コースに復帰しました。本当にぼーっとしていたんですね。この方に何回お礼を言っても言い過ぎないくらいです。この先のエイドで聞いた話によると10キロぐらい損したというランナーもいたそうです。でも、どんなだけ速いんやろね。
この事件で何か憑き物が落ちたようです。肩の力が抜けたのか、心なしか速く走れるようになってきました。
80キロは1時間24分36秒。計10時間20分30秒です。10キロのタイムも戻ってきました。もう20キロと思うと気力は出てきます。14時間以内の帰ってきたら今日中に京都に帰れるから、あと、3時間40分、行ける!
エイドでは椅子に腰を掛け、給食、給水をし、ひざ屈伸をしてから歩き出しそして走りに移行です。何とかリズムが出てきました。85キロの春江中公民館エイドでは手打ちそばも出てきました。そして、ゆりの里公園へ向かう直線道路の所に役員さんがいて、案内してくださいました。「あの白い、とんがった白い建物が89.4キロのエイドです。右の向こうの丘の先がゴールです。もう帰ってきましたよ」
嬉しい言葉です。本当に元気が出ました。そして、やっとこのエイドで久しぶりに写真を撮ろうという気力がわいてきました。ただし、この後はもう写真はありません<(_ _)>」
このエイドでは水羊羹が美味しかった。いくらでも入る感じです。ローズヒップの暖かい紅茶もいただきました。
そして90キロ、1時間27分05秒。計11時間47分35秒です。
もう全く最終関門の時間(93.6キロ木部東農協倉庫18時30分つまり、13時間30分)も気になりません。前へ進むのみです。後ろから抜いていく人もいますが、とぼとぼ歩いている人は抜いていきます。順位の変動はないみたい。基本抜くのは若い男性、抜かれるのは女性、これはフルと変わりません。
しかし、93.6キロのエイドから100キロの三国港駐車場エイドまでは、長かったなあ。特に海岸に出てからは長かった。
100キロ、1時間31分57秒、計13時間19分32秒。
これでほんとうだったらゴールだけれど余分の3キロを走らないといけません。気力は萎えました。しかも最後は坂を上って東尋坊に‥。何か感慨があるかなあと思ったけれど、いつもと一緒。落ちていく夕日はきれいやったけど、これまでの苦労を思い泣くなんてことはありませんでした。最後のゴールも直前で一人抜いたもので、抜き返されんとこと思って、ゴールに突入しました。
最後の3キロは28分27秒、計13時間47分59秒でした。出走者212人完走者157人、完走率74%。 なんと私の順位は90位!大健闘でした。
この直後は、京都に帰れるという極めて現実的な話だけだったのですが、完走の感想はだんだん、今もジワーっと上がってきます。このあたりは次回に書くことにします。
どうかみなさん、「いいね!」と言ってやってください。