年に1回ぐらいのペースで、アーティストが順にショーを観たり、テクニシャンの仕事を見学する機会が設けられ、今日観ることができました。
今回は新しい森のシーンのアクトも観たかったので、前のセクションの後ろの方の席から1回目のショーを観ました。
着席する前に、シアターの入り口、ロビー、ハープの演奏を見学、そして客席までの道のりを歩き、シアターに来られたお客様の感覚を味わい、とてもわくわくしました。
双子の妹役のトリシアが嵐のシーンのボートのマストの上からと、クライムのシーンの前に客席から登場する際に、私の名前を叫んでくれました。
思わず、返事して手を振りそうになり、笑いを堪えました。
チーフアーチャーのバリも、私が客席にいることに気がついたようで、横を通りすぎる際に頬を触られ笑ってしまいました。
久しぶりにステージ全体が見える席から、普段なかなか観る機会のないパートの演技も観ることができ、どの役も大切で、一人ひとりの存在が一つの大きな作品をつくり上げているということを改めて実感しました。
この中の一員でいられて、本当に幸せです。
2回目のショーは、何種類かの裏方さんの部署の中から選ぶことができ、テクニシャンの中でも取り仕切る役にいるトニーに付かせてもらいました。
テクニシャンと同じように全身黒い服を着用、先日たまたまトニーにもらったトニー・キャラクターのステッカーを胸に付け、“ティーム・トニー”ということに勝手にさせてもらいました。
彼の仕事は、各部署と連携して目視で確認、舞台全体の進行に重要な役目を担っていました。
アーティストやテクニシャン、装置、道具の位置やタイミングなど、ショー全体の動きを把握した上で、人、もの、全ての安全確認をしながら指示を出す、とても責任のある仕事でした。
合間には冗談を言いつつ、この仕事を淡々とこなす彼はすごいなぁと感心しながら、責任ある役で緊張しないか聞くと、11年間続けているから慣れたと即答・・・。
アーティストの方が楽だというと、アーティストはこの場に来るまでに努力を重ね、ようやくここで仕事としてできるもので尊敬していると、当然のように話していました。
質問があれば何でも聞いてと言ってくれましたが、あまりの情報量の多さに、“質問がわからない!”と答え、笑われました。
ショーが終わり、アーティストがステージから降りた後も、彼の仕事は続き、ステージを最初の位置に戻し、安全のためのロープやフェンスを設置、私もフェンスを運び、ステージに差し込むお手伝いをさせてもらいました。
お客さんや出演している自分でさえ見えていない部分で、これだけ多くの人が動き、ショーが成り立っていることを、直に触れながら感じました。
今日は早い時間から、リハーサル、エクササイズ、そして久々に再開したピラティスを受け、長い1日でもありましたが、有意義で、本当に貴重な経験ができました。