歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

「鷹揚」と「大様」

2010年01月31日 | 気になることば
「鷹揚」と「大様」はがんらい別語だったそうですな。不明にして知らなかった。わたしはこの二つは同じ言葉でどっちかが──というか「大様」のほうは──宛字なのだろうと思いこんでました。

「鷹揚」は態度やふるまいに余裕のある様子。鷹が空をゆうゆうと飛ぶように。いっぽう「大様」は、辞書によって「鷹揚におなじ」とするものもあるけれど、動作ののろいこと、ゆっくりしていること、大ざっぱ、の意にも用いるようです。「鷹揚」も前後の文脈によっちゃ褒めてるとばかり取れないこともありますが、語のレベルで云うと、「鷹揚」はいい意味にしか使わないけど「大様」は悪口にも使うことがある、というか使える、ってことね。

わたしはむかしは「鷹揚」しか知らなかったんですが、平岩弓枝『日蔭の女』という小説を読んでいたら「大様」と出てきて、「ああ大様とも書くのか」と思った覚えがある。実はそのときカード取らなかったんでいまうろ覚えで言ってるんですが、たしか『日蔭の女』だったはず。しかしその時には意味の違いなんて思い当たらず、表記の違いとしてしか認識しなかった。なんせ高校生だったからね。

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