歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

「豚にバラを撒く」

2011年02月16日 | 気になることば
日曜日に見た朝の『日曜美術館』はブリューゲルの再放送でした。二度目だったけどやっぱり見ちゃった。ブリューゲル、わりと好きなんだよね。フランドルの画家ではファン・エイクに次いでブリューゲルが好き。

番組はブリューゲルの傑作を10点紹介していくという内容だったんですが、「ネーデルラントのことわざ」という絵を取り上げたとき、その絵に描きこまれている「豚にバラを撒く」ということわざについて、ナレーションで「日本で言うところの『豚に真珠』です」という旨の説明がなされた。でも「豚に真珠」ってのももともと聖書から来ていることばで日本発祥のことわざではないんだから、「『豚にバラを撒く』は日本でいう『豚に真珠』です」って説明は、間違いではないけれどちょっと違和感がある。「『豚にバラを撒く』は『豚に真珠』と同じ意味のことわざ。」くらいにしておくのがよかったと思います。あるいは「日本でいう『猫に小判』です。」だったら問題はない。けれど、「猫に小判」に触れて「豚に真珠」に言及しないってのは、なんか不自然ですね。

そういや、この前読んだ丸谷さんの『双六で東海道』に、「一石二鳥」って四字熟語の典拠は漢籍ではなくて英語のことわざだと書いてありました。びっくりした。西洋由来の四字熟語があるなんて知らなかった。それも、「一石二鳥」なんて、ごく一般的なことばがそうだったなんて。

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