ロバート・B・パーカー/菊池光訳『拡がる環』(ハヤカワ文庫)読了。いやー、本を二日で読んだのは久しぶりですよ。今年は、ほんとに読めなかった。それはさておき、マッチョで、気が利いて、学があって、たぶん男前なこのスペンサーという男、人気者なんだろうなあ。けれどもわたしはそれほどまでには魅力を感じなかった。屈折が足りない。
などと言うのは、わたしが唯一慣れ親しんだハードボイルドものであるところのD・フランシスとつい比べてしまうからで、あの競馬シリーズの主人公たちのような陰影の深さがスペンサーにもあればなあ。
筋は面白いけれど、思いもかけないどんでん返しみたいなことは一つもなく、たんたんと話が進んでいく。しかし安心して読んでいられる、というのはファンにとっては魅力なのだろう。ギャングが出てきて、人殺しもあるけれど、基本的にはボストンや首都ワシントンのホワイトカラーな世界のお話で、なによりスペンサーやスーザンの気の利いたセリフは楽しい。スペンサー・シリーズ、もうあと何冊かは読むかもしれない。
などと言うのは、わたしが唯一慣れ親しんだハードボイルドものであるところのD・フランシスとつい比べてしまうからで、あの競馬シリーズの主人公たちのような陰影の深さがスペンサーにもあればなあ。
筋は面白いけれど、思いもかけないどんでん返しみたいなことは一つもなく、たんたんと話が進んでいく。しかし安心して読んでいられる、というのはファンにとっては魅力なのだろう。ギャングが出てきて、人殺しもあるけれど、基本的にはボストンや首都ワシントンのホワイトカラーな世界のお話で、なによりスペンサーやスーザンの気の利いたセリフは楽しい。スペンサー・シリーズ、もうあと何冊かは読むかもしれない。