自宅からワイナリーまで電車を通す/ヴィラデストへの道

はるかに仰ぎ見る丘の上のワイナリーに心の中で鉄道敷設をする話

『肉のおばちゃん』◇

2015-08-10 22:22:36 | リュー・ド・ヴァン『天空のワイン畑』







お皿の中央に

黄色いズッキーニ

半分切り



つぶらなひとみ



顔に見える

幼い子



左の
肉塊にも

黒いポツン点があって

顔に見える



『肉のおばちゃん』

 みたいだ







「あんた、こっちへおいで」





「ほらどうした、いやなこと
 あったかい」





「ああ、泣いていいんだよ」





「そうかい、そうかい
 存分にお泣き」





「もういいかい
 気が済んだかい」

「うん、おばちゃん
 ありがと…」





そして
この子は去って

かなしく
去って






肉のおばちゃんと

様子を見ていた
右の肉のおばちゃん仲間が

心配して話す



あの子
だいじょぶかねえ



そうだねえ

自分で
切り抜けて行くしか

ないからねえ



まあ

私に
食べられちゃった

んですけどね





泣いて

気が済んだ
ですかね



聞いてもらえれば

かなしい荷物も
軽くなる



顔を
埋められる

肉のおばちゃん



きっと
いてくれるよ

どこか

普通に

思わぬところにねえ







このパンの

虫ちゃんも

庭でコロコロ

遊んで
いたのだろうに





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