超人日記・作文

日々の随筆の合間に、短歌や俳句も登場します。

赤黄男百句を読む

2022-08-21 06:09:55 | 無題
「赤黄男百句」創風社出版、を読む。
以下、赤黄男の句。
〇貝殻の青き肌に雨くるよ
解説によると、官能的な句であるという。
〇ガラス窓壊れてしまふよい天気
秋晴れの日の、心象風景だという。猛暑の話かと思ってしまった。
〇賑やかなカルタの裏のさみしい絵
カルタは骨牌、裏は裏面と記してある。表記をわかりやすくした。
〇少年の雲白ければむく蜜柑
こんな清々しい俳句を書けたらいいな。
〇夕焼の金をまつげにつけてゆく
美しいが、飄々とした句。おもしろい。
〇美しきネオンの中に失職せり
さらりとしているが、言っている事実は重い。
〇一本のマッチをすれば湖は霧
湖はうみと読む。寺山の「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」の元歌。
〇蜂の巣に蜜のあふれる日のおもたさ
おもさと書かずにおもたさと書いて、鬱然とした感じを出しているという。
〇早春の鶴の背にある光の輪
日舞の一場面を思い出す。

山向う誰が汗する羊雲
湖の水面を抜けて呼吸する(私の作)

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする