ブログに書いた短歌のうち、比較的最近の作を選んでみました。
肉声を放とうとする地の塩に固く閉ざした戸もじき開く
人間の内にも宿る霊性を守り育てて生きる切望
砲撃で揺れる東部の戦線で「論考」を書く指が震える
息切れて何度も開ける冷蔵庫麦茶飲み干す季節また来る
歳月を夢みるように月日貝古い日記をめくる指先
願い事やがては叶い小舟でも銀いろの波目にもまばゆく
生きていて時に感じる苦悩さえ心深める日々の暗号
坂道の雪持ち笹に頬緩む 北の寒さも直終わるはず
先々の行方は知れず雪割草 春来る前にてにをはを直す
月寒の時計塔にも雪残り子どもが走る春浅き日々
除雪車が雪を噴き上げ持ってゆく冬の晴れ間に文字を打ち込む
遅くまで灯る冬窓雪深く見守るように眠る山並み
奔放な台風の目のナジャが見た風景がみな変貌を遂げる
春が過ぎ真夏の陽差し照るなかを白い衣で町を闊歩す
けなげにも川沿いに咲く花を見てうきよというは惜しく思われ
八月の列車で賢治を去るときに車窓に見えた花火現つか
主の神は天地創造なしおえてエデンの園に人を憩わせ
オルガンと賢治の楽譜天の河 椅子残された地人協会
釜石の車窓に眠り賢治の忌カムパネルラは友か私か
肉声を放とうとする地の塩に固く閉ざした戸もじき開く
人間の内にも宿る霊性を守り育てて生きる切望
砲撃で揺れる東部の戦線で「論考」を書く指が震える
息切れて何度も開ける冷蔵庫麦茶飲み干す季節また来る
歳月を夢みるように月日貝古い日記をめくる指先
願い事やがては叶い小舟でも銀いろの波目にもまばゆく
生きていて時に感じる苦悩さえ心深める日々の暗号
坂道の雪持ち笹に頬緩む 北の寒さも直終わるはず
先々の行方は知れず雪割草 春来る前にてにをはを直す
月寒の時計塔にも雪残り子どもが走る春浅き日々
除雪車が雪を噴き上げ持ってゆく冬の晴れ間に文字を打ち込む
遅くまで灯る冬窓雪深く見守るように眠る山並み
奔放な台風の目のナジャが見た風景がみな変貌を遂げる
春が過ぎ真夏の陽差し照るなかを白い衣で町を闊歩す
けなげにも川沿いに咲く花を見てうきよというは惜しく思われ
八月の列車で賢治を去るときに車窓に見えた花火現つか
主の神は天地創造なしおえてエデンの園に人を憩わせ
オルガンと賢治の楽譜天の河 椅子残された地人協会
釜石の車窓に眠り賢治の忌カムパネルラは友か私か