超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

横尾忠則の原郷感覚

2021-10-02 10:27:18 | 無題
録画していた日曜美術館の横尾忠則の東京都現代美術館 原郷展特集をビデオで見た。
東京都現代美術館の絵の壮観なこと。
数百枚と思われる大きな油絵が、各部屋にびっしり並んでいる。
最近のは学芸員さんも言っていたが、黄色い絵が多く、絵柄が明るい。
横尾さん自身も言っていたが、ゴッホの感覚を思わせる油絵だ。
過去の作品のテーマ、幼年時代の幻影、記憶の交錯、
人生と死、夢で見た瀧のモチーフ、故郷のY字路。
横尾さんは手も腱鞘炎だし、難聴だし、そうした負の力も利用して
今、絵を描いているという。
ひじょうに多作で、描くのが業みたいだが結局好きで描いている。
今の関心は「原郷」。生まれる前に見た世界、死後に魂が行く世界。
それを原郷と考えている、という。
もはや「無意識」がどうのこうのではなくて、目に見えない魂、
魂が前世で見たもの、今生で見たもの、来世で見るものを
ただ、描いて行く。
そういう視点がないと芸術はつかめないのではないかと語る。
ちょっと気になったのは油絵に生写真を貼ると、後々残る作品なのに、
写真部分が8年ぐらいで劣化してしまうのではないか。そこは
データで残ればいいと割り切っているのだろうか。

魂が生まれる前の原郷をひたすら描いてそこへ死後行く
コメント (2)
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